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業平文治漂流奇談(なりひらぶんじひょうりゅうきだん)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006/9/7 10:54:35 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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十一 さて友之助が斯様(かよう)な酷(ひど)い目に逢うのは何(ど)う云う訳かと云うと、友之助はおむらに勧められて文治郎の近所にいるのは気詰りだから、他(た)へ越せ/\と云うので、銀座三丁目へ引越(ひきこ)したのは二月の二十一日でございます。店開きを致して僅(わず)か十日ばかり経(た)つ中(うち)に、友之助は店に坐って商いをして居ります。袋物店(ふくろものみせ)でございまして、間口は狭くも良い代物(しろもの)があります。おむらは台所廻り炊事(かしぎ)の業(わざ)などをいたして居ります。ふと通り掛った武士、黒羅紗(くろらしゃ)の山岡頭巾(やまおかずきん)を目深(まぶか)に冠(かぶ)り、どっしりとしたお羽織を着、金造(きんづく)りの大小で、紺足袋に雪駄(せった)を穿(は)き、今一人(いちにん)は黒の羽織に小袖を着て、お納戸献上(なんどけんじょう)の帯をしめて、余り性(しょう)は宜しくないと見えて、何か懐中へ物を入れて居(お)ると帯が皺くちゃになって、掛(かけ)は頂垂(うなだ)れて、雪駄穿(せったばき)と云うと体(てい)は良いが、日勤草履(にっきんぞうり)で金(かね)が取れ、鼠の小倉(こくら)の鼻緒が切れて、雪駄の間から経木(きょうぎ)などが出るのを、踵(かゝと)でしめながら歩くという剣呑(けんのん)な雪駄です。微酔(ほろよい)機嫌で赤い顔をして友之助の店先へ立ち、 上一页 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] ... 下一页 >> 尾页
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