中国の伝説上、最古の夏（か）王朝（紀元前２１世紀～同１６世紀）の都があったと推測されていた河南省偃師市の「二里頭遺跡」から、大規模宮殿を持った古代都市跡がこのほど発見された。中国社会科学院考古研究所などは、今から３６００年以上前の中国最古の都としており、夏王朝が殷（いん）王朝（紀元前１６世紀～同１１世紀）に先立つ王朝として実際に存在した可能性が一段と強まった。国営新華社通信が２０日伝えた。 　３００万平方メートルに及ぶ二里頭遺跡のうち、都市跡の面積は１０万平方メートルに上り、綿密で整然とした都市計画が施されていた。 　発掘作業を進めてきた同研究所二里頭チームの許宏博士は、「明確な計画に基づいて造られた中国最古の都市で、古代都市計画制度の先駆けとなった」と指摘した。 　都市跡の中にある宮殿跡は、東西が３００メートル近く南北は３６０～３７０メートルの長方形で、城壁の幅は約２メートル。宮殿内には道路が縦横に張り巡らされていたほか、中軸線を持ち、順序良く配列された建築群も発見された。 　遺跡からは既に祭礼に用いる青銅器などが発見され、祭祀（さいし）行事などが行われていたとみられていた。（時事） (07/21 01:36)