シャープは来春入社の新卒定期採用で、日本語能力を問わない選考によって、技術系の中国人学生を約30人採用する方針を明らかにした。急拡大する中国の携帯電話市場に対応するため、通信技術などを学んだ学生を採用し、日本で研究開発に取り組んでもらう。今春、同じ選考基準で試験的に中国人学生9人を採用したところ、即戦力候補者が多く、英語ができれば職場での意思疎通にも不自由しなかった。このため、継続的に採用していくことにした。
シャープは来春入社予定の大卒を約430人採用する予定。このうち日本語能力不問で採用する中国人は約7%となる。入社後は日本で通信技術の研究者として働き、給与や福利厚生など諸待遇は日本人の大卒者と全く同じで終身雇用だ。幅広い海外展開をしている電機業界でも、日本語を全く話せない外国人を日本で採用するのは、珍しい。
中国は携帯電話の年間販売台数が1億台に達する世界最大の市場となっている。このため、シャープは「優れた中国人技術者を獲得すべきで、必ずしも日本語能力にこだわる必要がない」(幹部)と判断した。
今春入社した中国人9人は全員、中国の大学院(理系)修士課程修了者。いずれも日本語はほとんど話せないが、英語力は高い。主に中国向け携帯電話のソフト開発や基本システムの設計に携わり、6月から広島県東広島市の「通信システム事業本部」に配属されている。
(06/06 11:47) |