古御所
それから
宣和の末に、
たちまち
呉と従者は急いで戸の内に避けたが、最後の衛士は呉がここに涼んでいて行列の妨げをなしたのを怒ったらしく、その
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呉もこれを見て大いにおどろいた。その以来、彼は決してこの古御所に寝泊まりなどをしなかった。彼は自分の目撃したところを絵にかいて、大勢の人に示すと、洛陽の識者は評して「これは必ず唐の
唐の昭宗皇帝は英主であったが、晩唐の国勢振わず、この洛陽で叛臣
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中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)11異聞総録・其他(宋)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-8-27 17:50:56 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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古御所 それから 宣和の末に、 たちまち 呉と従者は急いで戸の内に避けたが、最後の衛士は呉がここに涼んでいて行列の妨げをなしたのを怒ったらしく、その ![]() 呉もこれを見て大いにおどろいた。その以来、彼は決してこの古御所に寝泊まりなどをしなかった。彼は自分の目撃したところを絵にかいて、大勢の人に示すと、洛陽の識者は評して「これは必ず唐の 唐の昭宗皇帝は英主であったが、晩唐の国勢振わず、この洛陽で叛臣 (同上)
我来也 京城の繁華の地区には窃盗が極めて多く、その出没すこぶる巧妙で、なかなか根絶することは出来ないのである。 我来也の名は ある日、逮捕の役人が一人の賊を 「わたしは盗賊には相違ないが、決して我来也ではありません。しかし しかし塔の上には昇り降りの人が多い。そこに金を隠してあるなどは疑わしい。こいつ、おれを 「疑わずに行ってごらんなさい。こちらに何かの仏事があるとかいって、お燈籠に灯を入れて、ひと晩廻り廻っているうちに、うまく取り出して来ればいいのです」 獄卒はその通りにやってみると、果たして金を見いだしたので、大喜びで帰って来て、あくる朝はひそかに酒と肉とを獄内へ差し入れてやった。それから数日の後、彼はまた言った。 「わたしはいろいろの道具を 「だが、あすこは 「それはこうするのです。お前さんの 獄卒は又その通りにすると、果たして種々の高価の品を見つけ出した。彼はいよいよ喜んで獄内へ酒を贈った。すると、ある夜の 「わたしは表へちょっと出たいのですが……。四更(午前一時―三時)までには必ず帰ります」 「いけない」と、獄卒もさすがに拒絶した。 「いえ、決してお前さんに迷惑はかけません。万一わたしが帰って来なければ、お前さんは このあいだからの一件を、こいつの口からべらべら 夜が明けると、昨夜三更、張府に盗賊が忍び入って財物をぬすみ、府門に「我来也」と書いて行ったという報告があった。 「あぶなくこの裁判を誤まるところであった。彼が白状しないのも無理はない。我来也はほかにあるのだ」と、役人は言った。 我来也の疑いを受けた賊は、叩きの刑を受けて境外へ追放された。獄卒は我が家へ帰ると、妻が言った。 「ゆうべ夜なかに門を叩く者があるので、あなたが帰ったのかと思って門をあけると、一人の男が、二つの そのふくろをあけて見ると、みな金銀の 獄卒はやがて役を (諧史)
海井 ある日、商船の老人がそれを見て大いにおどろき、また喜んだ 「実はこれは何という物か、わたしも知らないのです。こうして取引きが済んだ以上、決してかれこれは申しませんから、どうぞ教えてください」 「これは世にめずらしい宝だ」と、老人は言った。「その名を (癸辛雑識続集)
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