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踊る地平線(おどるちへいせん)08しっぷ・あほうい!
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006/9/27 6:55:04 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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けえいんてす! これは「HOT・A・GOOD!」で焼き栗屋の売り声だが、そこで、朝のりすぼん港の日課的大合唱は――い・ぼうあす! お! かしゅうれ! AHA! すると、猫・猫・猫――何てまあ古猫・仔猫・野良猫の多いLISBOA!――に、その猫の一匹のような灰色にのろ臭い一日の運転が開始されて、無自覚によごれた群集が街角に立ち話して通行の邪魔をし出し、無自覚な Rua Aurea で銀物屋が鉄の折戸を繰りはじめ、傾斜を這う電車と町なかの大昇降機に無自覚な朝陽が光り、旅行者に乞食と子供が群れて乞食よりも子供のほうがしつこくさるでえにあす! えいる・えいる! むしりおおうん! けええいんてす! い・ぼおうあす! だから、何も 海岸へも遠くなかった。夜の波止場では、やはり各国船員の上陸行列に では、どうして石炭みたいに無口な 1 マルガリイダに内証でいつ写したものか、リンピイは、品物の一つ一つに、例の白熊テレサの裸体写真や、それから、テレサと黒輝石のような 2 鶏の交尾してる小さな焼物。一種の 3 用便中の婦人の像。小指のさきほどの大きさ。同じく「 4 なんかとこんなような、女気のない長い海を越えて来た船員たち、迷信好きの彼らが狂喜して手を出すにきまってるものばかり精選してあるんだから、この珍奇なTALISMANだけでも、全く、これに羽が生えて売れなければ「ベイブ・ルウスは三振し・カロル親王がルウマニアの王位に就く」わけで、企業家びっこリンプの独自性はここに遺憾なく発揮されてる。 さてこの、たがいに独立し、それでいて相関聯してる三つの商売――テレサを取りまく「マルガリイダの家」と、夜中に碇泊船を訪問するリンピイの女舟と、 が、そういつまでも何事もないんじゃあ約束が違う。そこで、おわりに近づくに従い急にスピイドを出してもう手っ取り早くFINISにしちまうとして、ちょうどここんとこへ、問題の怪異船がるしあ・もれの号が入港して来たのだ。 もしあの時、風がこの船をリスボン沖で素通りさせたら? そうしたら、第一この話はなかったにきまってるし、リンピイはいまだにほるつがるりすぼあ港の満足せるリンピイだったろうし、ことによると僕も、いまもって 思えば、十字路的な出現であった―― this ガルシア・モレノ! なぜって君、一つも売れないのだ。何がって君、僕のしっぷ・ちゃんがさ。あれだけ飛行するように売れてた、そして、ほかの船ではやはり立派に売れてる――その売れる理由はすでにわかった――同じ品物が、このガルシア・モレノ号でだけはうそのようにちっとも捌けないのだ。誰ひとり手を取って見ようとするものもない。」毎日通ってるうちに、しまいには船中てんで僕を相手にしないで、振り向く者もなくなった。この、売れないのは僕のほうばかりじゃなく、リンピイの「女しっぷ・ちゃん」なんか、もっと惨めで、何度押しかけてっても手ぎわよく無視されていつも徒労に帰した。これは僕とリンピイにとって全く新しい 最後に僕が、何とかしてこのがるしあ・もれの号を征服すべき努力と決意のもとに――もう一つ暗転。 SHIP・AHOY! じゃこっぷの中途から救われてガルシア・モレノに甲板した僕と鞄が、LO! こうまた国際的 仮死した大煙突が夜露の汗をかいて、 『HUM! 『どうだ、どうせお前なんかどこで何をしようと同じことだろうが、一つ船へ来て働いてみないか。』出しぬけに彼が言った。 『 『ME?』 『YEA。』 そして事務長は、ここで急に慣れなれしくにやにやし出して、 『おい、たくさん女がいるんだよ、この船には。船員の過半は女なんだ。共有さみんな。 事務長についてって覗いた 半分以上は女が動かしてるガルシア・モレノ? これじゃあリンピイの商売は勿論、僕の「しっぷ・ちゃん」だって上ったりなわけで、どんな不思議も、こうして解っちまったあとでは何ら不思議じゃない。 ただ、一刻も早くリンピイにこの発見を伝えたいと思った僕が、じゃあ、ちょっと荷物を 『驚いたろう?』 と結ぶと、リンピイは何かじっと考えこみながら、 『うん――。』 妙にうっとりして答えてた。そして、今夜はガルシア・モレノに「 リンピイは行ってしまった。ガルシア・モレノの 船と女と whim を追って海から海をわたり歩いてるリンピイ! 急傾斜する水平線をしばらく忘れて、内心どんなにか淋しかったリンピイ! どこでなにをしようとどうせ同じことなリンピイ! そこには、マルガリイダもPIMPもなかった。強い海の The Call と、視界外への慢性的な放浪心とがあるばかりだった。 海から来た彼は、その誘惑に負けて故郷へ帰ったのだ。自発的に「 SHIP・AHOY! 海には海だけに いま ――あとには、マルガリイダと、テレサと、夜の 底本:「踊る地平線(下)」岩波文庫、岩波書店 1999(平成11)年11月16日第1刷発行 底本の親本:「一人三人全集 第十五巻」新潮社 1934(昭和9)年発行 ※底本には、「新潮社刊の一人三人全集第十五巻『踊る地平線』を用いた。初出誌および他の版本も参照した。」とある。 ※本作品中には、身体的・精神的資質、職業、地域、階層、民族などに関する不適切な表現が見られます。しかし、作品の時代背景と価値、加えて、作者の抱えた限界を読者自身が認識することの意義を考慮し、底本のままとしました。(青空文庫) 入力:tatsuki 校正:米田進 2002年12月9日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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