第二の場処「すすり泣くピエロの酒場」――モンパルナス羅典区、27, Avenue du Chneau。 再び一同を載せて、ぶうと山下を動き出した探検自動車は、またもや夜の巴里を走りに走り、廻りに廻って、空にはちかちかする星と赤い水蒸気と、地には、タキシの激流と歩道の散歩者と、光る街路樹と暗黒のベンチと、その上の男女の影とその下の野良犬と、ある広場にはあせちりん瓦斯をともして、襯衣一枚の大力士が次つぎに分銅を持ち上げて野天に人と鳥目を集めていたり、くらい横町に立つ女の口にシガレットの火がぽうっと浮かんだり消えたり、名だけ壮麗なHOTELルイ十四世――お泊り一人一晩。七法・種々近代的御便宜あり――の狭い入口に、毛布をかぶった老婆が占いの夜店を出していたり、それへ子供を伴れたお神さんが何やら煩悶を打ちあけていたり、一つの窓から、
Il est cocu, le chef de gare ! Il est cocu, cocu, COCU !