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古代に於ける言語伝承の推移(こだいにおけるげんごでんしょうのすいい)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-8-29 16:03:36 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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天ざかる
といふ歌の、一番進歩した説明では、大和の国を、島と称したと云つてゐるが、秋津島その他が、水で取り囲まれてゐるからだと云ふのは、逆の考へ方である。島は、自分が持つてゐる国、治めてゐる国といふ意味だつたのが、段々、普通に使はれるやうになつたものであらう。 おしてるや難波の崎よ。出で立ちて、わが国見れば……
といふ仁徳天皇の御歌の国も、うつかりすると、大和と見えるが、此は、部下の国を見、部下の国を褒める言葉である。自分の国をいふ島なる語が、段々変化して、普通に用ゐられなくなり、且宮廷に属してゐる地方が、皆国だから、宮廷のある所まで、国といふやうになつたのである。かうなると、我々は、正当に使つた島といふ言葉があると、何か異様に感じて、水を廻らした島、といふ古い言葉が転じて、国の一区劃をも云ふやうになつた、と云はねば収まらなくなる。此は口頭伝承の、国語に移つてゆくにつれて、起る変化である。 底本:「折口信夫全集 3」中央公論社 1995(平成7)年4月10日初版発行 初出:「民俗学 第二巻第一号」 1930(昭和5)年1月 ※底本の題名の下に書かれている「昭和五年一月「民俗学」第二巻第一号」はファイル末の「初出」欄に移しました。 入力:門田裕志 校正:多羅尾伴内 2005年9月10日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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