熊本県の阿蘇・中岳第1火口付近で26日、無線で操縦できる火山探査機の初の走行テストがあった。噴火後に火口近くに送り込み、いち早く観測態勢を整えるのが狙い。東北大東北アジア研究センター(仙台市)の谷口宏充教授(火山科学)らが開発した。
探査機は、ショベルカーを改良した火山探査移動観測ステーション「MOVE」。重量4.5トンで、先端のアームを使って観測機器を運んだり、噴石などを採取したりできる。坂道やでこぼこ道も通れるよう、無限軌道を装備。MOVEに取り付けたカメラから送られる画像を見て、安全な場所から操縦する。
この日はMOVEのそばで操縦しながら、火口広場から火口西壁近くまでの300メートルを往復した。27日は遠隔操縦ができる範囲を確認する。谷口教授は「阿蘇は火口近くまで道路が整備されており、MOVEも火口に近づくことができる。阿蘇が、噴火を観測する最初の場所になるだろう」と話す。
(07/26 19:38) |