不可能な「青いバラ」開花 サントリーが世界初
 世界で初めてバイオテクノロジーを用いて開発に成功した「青いバラ」=30日午後、東京・六本木 |
不可能と言われた「青いバラ」が開花-。サントリーは30日、花びらに含まれる色素がほぼ100%青色のバラの開発に世界で初めて成功したと発表した。酒類などで培った遺伝子組み換え技術を応用、約14年かけた成果。安全性を検証した上で、ギフト用などの高級品として2007-08年ごろに商品化、世界で年間300億円の市場に育てたい考えだ。
バラには青色色素を作り出す酵素の遺伝子がなく、英語で「ブルー・ローズ」は「不可能、あり得ないこと」の意味があるほど。品種交配で赤色色素を抑え、青色に近づけたバラは既に市販されているが、青色色素は含まれていなかった。
サントリーは、グループのバイオ企業フロリジン社(オーストラリア)と、1990年に研究を開始。さまざまな花の遺伝子をバラに組み込んで栽培させ、パンジーの遺伝子で青の発色にこぎ着けた。
ただ、まだ紫色に近いことが課題で、青の発色を強める研究を続ける。今回のバラを、ほかの色のバラと交配させ多彩な色の花を咲かせる可能性も広がったといい、サントリーは「夢が結実した。青いキクや黄色のシクラメンなど、ほかにできないとされる色の花にも挑戦したい」と、意気込んでいる。
(06/30 18:49)
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