中国・黒竜江省チチハル市の郊外で5月下旬、旧日本軍が遺棄した毒ガス砲弾など52発が見つかった問題で、内閣府遺棄化学兵器処理担当室は14日、16日から約10日間の予定で日中共同で発掘・回収作業を行うと発表した。
同室担当者の説明では、現場はチチハル市南部の昂昂渓区頭站村の民家の敷地内。約100メートル離れた場所に小学校がある。5月末に日本外務省の調査団が訪れて10発を鑑定し、旧日本軍のびらん剤(マスタードガス)などと確認した。作業には、内閣府に出向している自衛官や同OBなど日本側が二十数人、中国側は130人前後が参加する。
一方、同時期にチチハル市の別の建設現場で掘り出されたドラム缶の周囲にいた8人が体に異常を訴えた問題で、ドラム缶は旧日本軍のびらん剤の容器だとわかった。だが、古い穴が開いて中身はなく、中国側は「8人の体の異常との因果関係ははっきりしない」と日本側に説明したという。8人はいったん病院に運ばれたが退院している。
(06/15 07:50)
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