航空券、07年度末までに電子チケットに…紙は廃止

【シンガポール=深沢淳一】世界の航空会社から紙の航空券がなくなる――。国際航空運送協会(IATA)に加盟する日本など世界136か国の航空会社275社は、紙に印刷する従来の航空券を2007年末までに廃止し、IT(情報技術)を駆使した「電子チケット(eチケット)」の導入を目指すことを決めた。
シンガポールでこのほど開かれたIATA年次総会で合意した。航空会社は業務の効率化が図れるうえ、利用客もチェックイン時にパスポートを見せるなどして本人であることを証明するだけでよくなり、航空券紛失などのわずらわしさから開放される。
IATAによると、現在、世界で年間約3億枚の航空券が発券されているが、eチケット化されれば30億ドル(約3300億円)のコスト削減につながる。
すでに、アメリカの国内線では全面電子化に向けた取り組みが進められているが、世界全体の普及率は12%しかなく、完全に移行するには「経営規模が小さい航空会社を支援する必要がある」(日本航空システムの兼子勲会長兼社長)などの課題も残されている。 (2004/6/12/23:10 読売新聞
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