夏は連日猛暑が続く中国・上海市は、エアコン使用などによる電力不足を緩和するため、人工的に雨を降らせて気温を下げる計画を立てている。商業や工業施設が集中する同市では、電力不足が社会問題化している。水不足対策などの人工降雨は例があるが、電力不足解消を目的にしたのは初めてという。今月中にも試験的に実施する予定だ。
市当局によると、飛行機から冷却剤などを雲の中に散布することで温度を大きく下げ、水滴や氷の量を増やして人工的に雨を降らせる方法などが検討されている。天候条件に左右されるうえコストも高いが、電力を買うコストに比べれば採算が合うという。
同市は夏場の電力消費量の約半分をエアコン使用が占める。ある地区では昨夏、突然大雨が降った時の電力需要が150万キロワット減少したといい、雨による気温低下でエアコン使用を抑える効果があるとみている。
上海市経済委員会によると、今夏の最大電力需要は1670万キロワットにのぼり、これに対し供給は240万キロワット程度不足するとみられていた。
(06/13 11:03) |