31日午前2時50分ごろ、兵庫県洲本市の県立淡路病院から「母親に運ばれてきた男児が死亡した」と、洲本署に連絡があった。同市炬口(たけのくち)2丁目、飲食店店員石櫃(いしびつ)京子容疑者(32)の三男、原口海斗ちゃん(生後10カ月)で、頭部に外傷性出血があったという。石櫃容疑者が「あやしても泣きやまないので突き飛ばした」と、暴行を認めたため、同署は殺人容疑で逮捕した。2人は同市立母子生活支援施設で暮らしていた。
調べでは、石櫃容疑者は30日午後9時ごろ、同施設の自室で海斗ちゃんに暴行を加え、後頭部を床に強打させた疑い。同10時ごろ、海斗ちゃんをタクシーに乗せて同病院に運んだが、海斗ちゃんは約4時間後に死亡した。司法解剖の結果、死因は急性硬膜下血腫とわかった。
石櫃容疑者は当初、「寝かそうとしてあやしていたら、けいれんを起こした」などと話していたが、同署の事情聴取に対し、「泣き叫ぶ子どもに腹が立った」と供述したという。海斗ちゃんに目立った外傷がないことなどから、同署は発作的な犯行とみている。
石櫃容疑者は昨年3月に離婚。上の子ども3人は元夫が引き取り、末っ子の海斗ちゃんだけを石櫃容疑者が育てていた。今年4月、配偶者のいない母子を支援する同施設に入所。平日の朝は自転車で海斗ちゃんを市内の保育園に送った後、勤務先の飲食店に出勤し、夕方に海斗ちゃんと一緒に同施設に帰っていた。
同施設の岡野淑子施設長は「毎夕の食事指導で職員が部屋に入って会話していたが、虐待するような様子はなかった」と話した。
(05/31 21:43) |