日立製作所は6月15日、企業情報システムで利用するデータのライフサイクル管理を支援するサービス体系「DLCM(データ・ライフサイクル・マネジメント)ソリューション」を発表した。ストレージ関連ハードウエアを中核に、ストレージ管理ソフト、データ・ライフサイクル管理に関するサービスを組み合わせて提供していく。
新サービス体系は、米国と日本で同時に発表した。日立製作所RAIDシステム事業部販売推進本部の飛田正士本部長は、「米国の同時多発テロやエンロン事件などを契機に、業務システムで利用するデータをきちんと管理することが企業のなかでも重視されるようになってきた。それに合わせて当社も得意のストレージ製品を中核に新しい体系を発表することにした」と説明する。
DLCMソリューションは(1)ストレージ・ハードのSANRISEシリーズ、(2)ストレージ管理ソフトのJP1/HiCommandシリーズ、(3)災害対策用システムやSAN(ストレージ専用ネットワーク)の構築を支援するサービス――の三つで構成する。「データの利用価値は時間の経過に合わせて変化していく。作成から消去まで、データのライフサイクルをストレージ・ハードをベースに提供していく」(日立製作所 RAIDシステム事業部事業企画本部の岡見吉規本部長)。
今回、DLCMソリューションに組み込む新商品/新サービスも同時発表した。ストレージ・ハードでは、「SANRISE9500Vシリーズ」を6月22日に出荷する。9500Vシリーズは、処理速度が速いファイバ・チャネル・インタフェースを持ったディスクと、記憶容量当たりのコストが低いシリアルATAインタフェースを持つディスクを同じきょう体に混在できる。「アクセス頻度が多いデータをファイバ・チャネルのディスクに格納して、アクセス頻度がそれほどないデータをシリアルATAのディスクで管理するといった使い分けができるので、ストレージ全体の利用効率を向上できる」(岡見本部長)。価格は845万8000円から。
新サービスは2種類発表した。一つは、SANRISEシリーズのストレージ・ハードを使って、SAPのERPパッケージ「R/3」のデータを保存するアーカイブ・システムを構築する「SAPデータアーカイブサービス」。アーカイブ用ソフトを販売するイキソスソフトウェア日本法人と提携してサービスを提供する。料金は数百万円からになる見込みで、7月末から提供開始の予定である、今年秋には、メール・システムを対象にしたアーカイブ・システム構築サービスを提供する計画だ。
もう一つの新サービスは、顧客企業で管理するSANRISEシリーズのハードと、運用管理・保守・容量追加といったサポート・サービスをまとめて提供する「ストレージユーティリティマネジメントサービス」。6月15日に開始した。サービス料金は個別見積もり。ディスクの使用容量に応じた従量課金制になる。日立は3Tバイト以上のストレージを管理対象にする顧客企業を中心にサービスを提供する。今後3年間で40社の利用を見込む。 |