ソニーは,動画,音楽,静止画に対応したハード・ディスク装置(HDD)内蔵の携帯型プレーヤ「HMP-A1」を発表した。同社は2003年にHDD内蔵の携帯型動画プレーヤ「PCVA-HVP20」を発売しているが,音楽再生機能は搭載していなかった。HMP-A1では米Apple Computer, Inc.の「iPod」を意識し,動画再生だけでなく音楽再生と静止画の表示も可能にした。
映像の符号化方式として,PCVA-HVP20と同じMPEG-1とMPEG-2に加えて,MPEG-4に対応した。20GバイトのHDDに1Mビット/秒で符号化した映像を最大35時間程度格納できる。音楽の符号化方式としては,MP3やWAVに対応した。
テレビ放送の受信チューナを内蔵したパソコンのHDDに録画したテレビ番組などをHMP-A1に移して外出中に視聴する利用形態を想定する。「アテネ・オリンピックによる需要も見込んでいる」(担当者)という。
パソコンからのファイルの転送は専用ソフトを使って行う。ユーザーはパソコンの画面上で,転送するファイルを選択した上で転送する必要がある。パソコンで予約録画した番組を自動転送する機能はない。USB2.0を使った場合,1Gバイト分のデータを転送するのに最短でも1分程度かかるという。
AVI(DV)や,WMV,DVR-MSといったフォーマットでパソコンのHDDに格納してある動画データは,転送時にMPEG-2またはMPEG-4に変換する。この場合は,30分の動画データの転送に約30分かかる。同様にBMP,GIF,PNG,TIFF,PGPといったフォーマットの静止画データはJPEGに変換する。
横長画面の右側に操作部分がある。操作はタッチ・センサーで行う。通常は右手で持ち,右手で操作する。画面表示を180度回転することで,左手を使って同様な操作をすることも可能にした。質量は250gと,PCVA-HVP20の300gより軽くなってはいるが,片手で長時間操作するにはには重いと感じた。
USBケーブルを使った充電も可能。この場合満充電には最大7時間かかる。ACアダプタを介して充電する場合は2.5時間で済む。外形寸法は129.6mm×75.6mm×22mm。2004年6月26日に発売予定で,実売価格は5万9800円という。
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