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去年の木(きょねんのき)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-10-21 9:23:30 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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いっぽんの木と、いちわの小鳥とはたいへんなかよしでした。小鳥はいちんちその木の けれど寒い冬がちかづいてきたので、小鳥は木からわかれてゆかねばなりませんでした。 「さよなら。また来年きて、歌をきかせてください。」 と木はいいました。 「え。それまで待っててね。」 と、小鳥はいって、南の方へとんでゆきました。 春がめぐってきました。野や森から、雪がきえていきました。 小鳥は、なかよしの ところが、これはどうしたことでしょう。木はそこにありませんでした。根っこだけがのこっていました。 「ここに立ってた木は、どこへいったの。」 と小鳥は根っこにききました。 根っこは、 「きこりが といいました。 小鳥は谷のほうへとんでいきました。 谷の 小鳥は工場の門の上にとまって、 「門さん、わたしのなかよしの木は、どうなったか知りませんか。」 とききました。 門は、 「木なら、工場の中でこまかくきりきざまれて、マッチになってあっちの村へ売られていったよ。」 といいました。 小鳥は村のほうへとんでいきました。 ランプのそばに女の子がいました。 そこで小鳥は、 「もしもし、マッチをごぞんじありませんか。」 とききました。 すると女の子は、 「マッチはもえてしまいました。けれどマッチのともした火が、まだこのランプにともっています。」 といいました。 小鳥は、ランプの火をじっとみつめておりました。 それから、 歌をうたってしまうと、小鳥はまたじっとランプの火をみていました。それから、どこかへとんでいってしまいました。 底本:「ごんぎつね 新美南吉童話作品集1」てのり文庫、大日本図書 1988(昭和63)年7月8日第1刷発行 底本の親本:「校定 新美南吉全集」大日本図書 入力:めいこ 校正:鈴木厚司、もりみつじゅんじ 2003年9月29日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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