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飴だま(あめだま)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-10-21 9:07:40 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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春のあたたかい日のこと、わたし 「おオい、ちょっとまってくれ。」 と、どての向こうから手をふりながら、さむらいがひとり走ってきて、舟にとびこみました。 さむらいは舟のまん中にどっかりすわっていました。ぽかぽかあたたかいので、そのうちにいねむりをはじめました。 黒いひげをはやして、つよそうなさむらいが、こっくりこっくりするので、子どもたちはおかしくて、ふふふと お母さんは口に指をあてて、 「だまっておいで。」 といいました。さむらいがおこってはたいへんだからです。 子どもたちはだまりました。 しばらくするとひとりの子どもが、 「かあちゃん、 と手をさしだしました。 すると、もうひとりの子どもも、 「かあちゃん、あたしにも。」 といいました。 お母さんはふところから、紙のふくろをとりだしました。ところが、 「あたしにちょうだい。」 「あたしにちょうだい。」 ふたりの子どもは、りょうほうからせがみました。 「いい子たちだから待っておいで、向こうへついたら買ってあげるからね。」 といってきかせても、子どもたちは、ちょうだいよオ、ちょうだいよオ、とだだをこねました。 いねむりをしていたはずのさむらいは、ぱっちり お母さんはおどろきました。いねむりをじゃまされたので、このおさむらいはおこっているのにちがいない、と思いました。 「おとなしくしておいで。」 と、お母さんは子どもたちをなだめました。 けれど子どもたちはききませんでした。 するとさむらいが、すらりと お母さんはまっさおになって、子どもたちをかばいました。いねむりのじゃまをした子どもたちを、さむらいがきりころすと思ったのです。 「 とさむらいはいいました。 お母さんはおそるおそる さむらいはそれを そして、 「そオれ。」 とふたりの子どもにわけてやりました。 それから、またもとのところにかえって、こっくりこっくりねむりはじめました。 底本:「ごんぎつね 新美南吉童話作品集1」てのり文庫、大日本図書 1988(昭和63)年7月8日第1刷発行 底本の親本:「校定 新美南吉全集」大日本図書 入力:めいこ 校正:鈴木厚司、もりみつじゅんじ 2003年9月29日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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