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赤とんぼ(あかとんぼ)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006/10/21 9:06:36 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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赤とんぼは、三回ほど空をまわって、いつも休む一本の 山里の昼は静かです。 そして、初夏の山里は、 赤とんぼは、クルリと 赤とんぼの休んでいる竹には、 今はこの家には 赤とんぼは、ツイと竹の先からからだを 三四人の人が、こっちへやって来ます。 赤とんぼは、さっきの竹にまたとまって、じっと近づいて来る人々を見ていました。 一番最初にかけて来たのは、赤いリボンの 赤とんぼは、かあいいおじょうちゃんの赤いリボンにとまってみたくなりました。 でも、おじょうちゃんが けど、とうとう、おじょうちゃんが前へ来たとき、赤とんぼは、おじょうちゃんの赤いリボンに飛びうつりました。 「あッ、おじょうさん、 赤とんぼは、今におじょうちゃんの手が、自分をつかまえに来やしないかと思って、すぐ飛ぶ用意をしました。 しかし、おじょうちゃんは、赤とんぼをつかまえようともせず、 「まア、あたしの つばくらが、風のようにかけて行きます。 かあいいおじょうちゃんは、今まで 赤とんぼは、今日も空をまわっています。 「とんぼとんぼ あどけない声で、こんな歌をうたっているのが、聞こえて来ました。赤とんぼ すすきの中は あぶないよ」 赤とんぼは、あのおじょうちゃんだろうと思って、そのまま、声のする方へ飛んで行きました。 思った通り、うたってるのは、あのおじょうちゃんでした。 おじょうちゃんは、庭で 赤とんぼが、頭の上へ来ると、おじょうちゃんは、持ってたおもちゃの金魚をにぎったまま、 「あたしの赤とんぼ!」とさけんで、両手を高くさし上げました。 赤とんぼは、とても 「おじょうさん、 「いや――」 「だって――」 「いや! いや! お母さんでなくっちゃ――」 「 つづけて、グルグルと書生さんは右手をまわします。そして、だんだん、その円を小さくして赤とんぼに近づいて来ます。 赤とんぼは、大きな だんだん、円は小さく近く、そして早くまわって来ます。 赤とんぼは、 つぎの 「おじょうさん、赤とんぼをつかまえましたよ。あげましょうか?」 「ばか! あたしの赤とんぼをつかまえたりなんかして――山田のばか!」 おじょうちゃんは、口をとがらして、 書生さんは、赤とんぼをはなして 赤とんぼは、ホッとして空へ飛び上がりました。良いおじょうちゃんだな、と思いながら―― 空は 赤とんぼは、 「それからね、そのとんぼは、 「 赤とんぼは、 例の書生さんは、顔をあかくして行ってしまいました。 「まア! あたしの赤とんぼ! かあいい赤とんぼ!」 おじょうちゃんの 今日も、赤とんぼは、おじょうちゃんに会いにやって来ました。 赤とんぼは、ちょっとびっくりしました。それは、いつも開いている どうしたのかしら? と、赤とんぼが考えたとき、 おじょうちゃんです。あのかあいいおじょうちゃんです。 けれども、今日のおじょうちゃんは、悲しい顔つきでした。そして、この 赤とんぼはいつものように飛んで行って、おじょうちゃんの 「あたしの赤とんぼ……かあいい赤とんぼ……あたし、東京へ帰るのよ、もうお別れよ。」 おじょうちゃんは、小さい細い声で 赤とんぼは悲しくなりました。自分もおじょうちゃんといっしょに東京へ行きたいなと思いました。 そのとき、おじょうちゃんのお母さんと、赤とんぼにいたずらをした 「ではまいりましょう。」 赤とんぼは、やがておじょうちゃんの 「あたしの赤とんぼよ、さようなら――」 かあいいおじょうちゃんは、なんべんもふりかえっていいました。 けど、とうとう、 もう、これからは、この家は 底本:「ごんぎつね 新美南吉童話作品集1」てのり文庫、大日本図書 1988(昭和63)年7月8日第1刷発行 親本:「校定 新美南吉全集」大日本図書 入力:もりみつじゅんじ 校正:鈴木厚司 2003年5月18日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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