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「峠」という字(「とうげ」というじ)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-10-17 11:18:22 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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「峠」という字は日本の国字である。日本にも神代から独得の日本文字があったということだが、それは史的確証が無い、人文史上日本の文字は、支那から伝えられたものであって、普通それを漢字と云っているが、日本で創製した文字もある、片仮名や平仮名はそれであって、寧ろ国字といえば、この仮名文字こそ国字であるが、普通に国字といえば、仮名を称せずして、日本製の漢字を この日本製の漢字が、新たに造られたというのは天武天皇の十一年に(昭和十年より千二百四十三年以前) 本来の漢字によれば「峠」は「嶺」である、嶺の字義に関しては「和漢三才図会」に次の如く出ている。 按嶺山坂上登登下行之界也、与峯不同、峯如鋒尖処、嶺如領腹背之界也、如高山峯一、而嶺不一。 これによって見ると、嶺は峯ではない、山の最頂上では無く、和語の「たうげ」は「たむけ」だという説がある、人が旅して、越し方と行く末の中道に立って、そうして、越し方をなつかしみ、行く末を祈る為に、 山があり上があり下があり、その中間に立つ地点を峠と呼ぶことに於て、さまざまの象徴が見出される、上通下達の聖賢の要路であり、上求菩提下化衆生の 「峠」は人生そのものの表徴である、従って人生そのものを通して過去世、未来世との中間の一つの道標である、上る人も、下る人もこの地点には立たなければならないのである。ここは菩薩が遊化に来る処であって、外道が迷宮を作るの処でもある。慈悲と 底本:「中里介山全集第二十巻」筑摩書房 1972(昭和47)年7月30日発行 入力:門田裕志 校正:多羅尾伴内 2004年6月10日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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