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狢(むじな)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-9-26 15:36:43 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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幕末の話である。 どうやら若い女のようで、 「どうかしたのかい、姉さん。狭い量見を起しちゃいけないよ」 女は顔もあげないでしくしくと泣きつづけた。商人は寄り添って腰をかがめた。 「ね、どうしたんだい。姉さん思案にあまることがあるなら、いくらでも力になってやるよ、わけを言って見な」 女はますます袂へ顔をうずめて泣き入るばかりであった。商人はじれったくなって女の肩へ手をかけた。 「どうしたのだ、姉さん、人が親切に言ってるのだ、わけを言ったらいいじゃないか」 女はひょいと袂から顔をあげた。それは目も鼻も何もないのっぺら坊であった。 「わ」 商人は一声叫ぶなり坂を 「大変だ、大変だ」 「どうなすったかね」 もやもやと立つ湯気の向うにいる 「どうもこうもありゃしねえ、そこで大変な代物に 「 「馬鹿にするな、追剥ぐらいで江戸っ児が騒ぐかい。 「へ、大変な顔、どんな大変な顔でござんした」 「それがおめえ、恐ろしいの何のって、とても一口にゃ言えやしない」 「こんな顔じゃなかったかね」 親爺はぴしゃりと 商人は気を失った。その頃紀の国坂一帯には狢が 底本:「怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集」春陽文庫、春陽堂書店 1999(平成11)年12月20日第1刷発行 底本の親本:「新怪談集 物語篇」改造社 1938(昭和13)年 入力:Hiroshi_O 校正:noriko saito 2004年8月20日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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