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碧玉の環飾(へきぎょくのわかざり)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-9-26 15:19:29 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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唐の 孫恪はこの女は主人の娘であろうと思ったので、あいさつしようとすると、女は驚いて引込んでしまった。孫恪は調子が悪いのでぽかんと立っていると、青い着物を着た少女が出てきて、 「何の用があって、ここへきたのか」 と聞く。で、孫恪は、 「通りすがりに入ってきた者だ、 と言って、みだりに門内に入った罪を謝した。 そこで青衣の少女は裡へ入ったが、暫くすると最初の女が少女を 「この方は と、聞くと少女は、 「 と言った。 「御主人はもう結婚なされておるか」 と、孫恪がまた問うと、 「まだ結婚はなされていない」 と、少女が その後で、女は少女といっしょに引込んでいったが、すぐ少女に茶菓を持たしてよこして、 「旅人の心に欲する物があれば、何によらず望みをかなえてやる」 と言わした。既に女に恋々の情を起している孫恪は、 「我は貧しい旅人で、学も才もないのに引代え、袁氏は家が富んでいるうえに、賢であるから、とても望まれない事であるが、もし結婚する事ができれば、大慶である」 と言って、結婚を申込むと、女は承諾して少女を そのうちに四年の歳月が経った。孫恪は 「お前の顔色は非常に悪い、これはきっと妖怪に魅いられている」 と言ったが、孫恪は別にそんな心あたりもないので、 「別に怪しいと思う事もないが」 と不審する。 「人は天地陰陽の気を受けて、魂魄を納めている、もしその陽が衰えて陰が盛んになれば、その色がたちまち表に と、閑雲が主張するので、孫恪は袁氏の婿になった事を話した。すると閑雲が、 「それが怪しい、 と、言って勧めたが、孫恪は、 「しかし、袁氏は財産があるうえに賢明な女で、 と言って、その言葉を用いないので、閑雲が怒って、 「邪妖の怪恩は恩とは言えない、またそれに叛いたからとて不義とは言えない、我家に宝剣があるから、それを貸してやろう、それを帯びて往けば、妖魔の類は千里の外に遁げ走る」 と言って、一振の刀を出してきた。 孫恪は心に惑いながらも、その剣を持って帰った。すると袁氏は既にそれを悟って、 「 と言って泣いた。孫恪はその言葉を聞くと非常に心に恥じた。 「これは と、これも涙を流してあやまった。 そこで袁氏は孫恪の持ってきた剣を手に取って、それを箸を折るようにぽきぽきと折った。孫恪は 「数年間も同居して、こうした間になっているから、決して郎君を害する事はない」 と言った。孫恪は遁げるのも怖ろしいのでそのまま袁氏の婿となっていた。その後、孫恪は張閑雲に逢って、その日の事を話すと、閑雲は仰天して、 「変異測りがたし」 と、言って、それから孫恪と逢わないようになった。 やがて袁氏は二人の男の子を生んだ。その小供は至って怜悧で、 「瑞州の と、言って決山寺へ往き、住持の老僧に逢ったが、老僧は袁氏を知らない。袁氏はまた懐から 「これは、この寺の旧物である」 と、言ったが老僧にはその意味も解らなかった。 その時、 「これから永のお別れをします」 と言って、着ていた着物を引裂いて投げ出したのを見ると、 その後で孫恪は老僧に向って、 「何かこれに就いて、思い当る事はないか」 と問うた。老僧は頻りに昔の事を 「愚僧がまだ と言った。孫恪はそれを聞くと、ますます悲しくなり、長安に往く事を中止して引返した。 底本:「中国の怪談(一)」河出文庫、河出書房新社 1987(昭和62)年5月6日初版発行 底本の親本:「支那怪談全集」桃源社 1970(昭和45)年発行 入力:Hiroshi_O 校正:noriko saito 2004年11月3日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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