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胡氏(こし)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-9-25 9:07:52 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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そこで富豪は 主人はひどく驚いたが、しかし胡の ある日、胡は休暇をくれと言って出て往ったが、翌日一人の客が来た。客は黒い 「私が今日あがりましたのは、胡氏があなたと長く御交際を願いたいために、お宅の令嬢と結婚したいと申しますものですから」 主人は黙って聞いていたが、暫くして言った。 「僕と胡先生とは、もう 「しかし令嬢は、確かにまだ許婚になっていないことを知っておりますが、なぜ胡先生と結婚さすのをお嫌いになります」 客はこんなことを二三回も繰りかえして言ったが、主人はきかなかった。客は 「胡も家柄ですよ、そうあなたの家に劣るものじゃありませんよ」 すると主人が言った。 「それではありのままに言いますが、私が結婚させないのは他に意味はないが、ただ胡先生は人間ではありませんから」 客は怒った。 「それは無礼です」 主人も怒った。 「何が無礼だ」 「けしからんことをおっしゃる」 「何がけしからん」 「けしからんです」 二人は猛りたった。客はいきなり主人の顔をひっ掻いた。主人は家の者を呼んで、杖で 主人は客が怒っていたので、きっと復讐にくるだろうと思って用心していた。翌日果して一隊の狐兵がおし寄せてきた。馬に乗った者もあれば徒歩でいる者もあって、それが 主人は外へ出なかった。 「家に火をつけろ」 と言った。主人はますます 「狐の腕前もこれ位のものだよ」 そして狐のまたくるのを恐れてますます備えをしていた。翌日家の者が 狐はそれから三日間はこなかった。家の者はすこし こんなことで一ヶ月あまりを費した。狐の害はそれほどでもなかったが、いつどんなことをするかも判らないので警戒をおこたらなかった。主人はそれが厭でたまらなかった。 ある日胡が兵士を率いてきた。主人は出て往って胡の方を見た。胡はそれを見ると兵士の中にかくれた。主人は、 「胡先生、胡先生」 と言って呼んだ。胡はしかたなしに出てきた。主人は、 「僕は先生に礼を失していないのに、なぜ僕の家を攻撃します」 と言った。狐兵が弓を張って主人を射ようとした。胡はそれを止めた。主人は近くに往ってその手を握った。そして胡のいた 「先生は達人だから、了解してくださるだろうと思いますが、私は先生と家の児の結婚は好みません、それは先生の乗物も住居も、人とおんなじでないから、児が結婚したにしても先生の所にいられないことは先生も御存じだろうと思います、そのうえ諺にも瓜と果物の青いのは口に適しないということがあります、先生だってもらってくださるのは厭でしょう」 胡はひどく慙じた。主人が言った。 「先生が僕を見棄てないなら、僕の家に十五になる男の児があります、先生の方にどなたかありますなら、迎えたいと思いますが、先生の方に 胡は喜んで言った。 「僕に年のゆかない妹があります、公子より一つ年下です、ひどく馬鹿でもありませんから、さしあげたいと思いますが、如何でしょうか」 主人は起って拝礼した。胡も答礼した。そこで新たに杯を交換して歓び、前の仲違いは忘れてしまった。そして主人は酒肴をならべて胡の従者一同をねぎろうた。主人はそれから胡の住居を訊いて結納をおくろうとしたが胡が辞退した。そして胡は夜になって酔って帰って往った。 それから狐の害もなくなって富豪の家も安心した。そして一年あまりになったが、胡はこなかった。ある人は胡が嘘を言ったのではないかと言ったが、主人は疑わないで待っていた。 また半年ばかりして胡が不意にきて、暑い寒いの挨拶をしてから、 「妹が大きくなりました、佳い日を定めて御夫婦に と言った。主人は喜んだ。そこで期日を打ち合わして胡は帰って往った。 その日がきて夜になると果して 新婦は 新婦は豊年と凶年を知っていた。生活上のことは新婦の言葉に従ってやった。胡の兄弟及び母親は、時どき女に遇いにきたので村の人は皆それを見た。 底本:「中国の怪談(二)」河出文庫、河出書房新社 1987(昭和62)年8月4日初版発行 底本の親本:「支那怪談全集」桃源社 1970(昭和45)年発行 ※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。 入力:Hiroshi_O 校正:noriko saito 2004年9月25日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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