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幻術(げんじゅつ)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-9-25 9:05:07 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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寛文十年と云えば切支丹で世間が騒いでいる時である。その年の夏、 刑場の真中には磔の柱が二本鬼魅悪く立っていた。二人の罪人はその下に引き据えられた。と、罪人の一人が云った。 「こんなに厳しくせられては、とても私達は逃げることはできません、もう覚悟をきめておりますが、ただ一つしのこしている術がありますから、すこし縄をゆるめてください、それを人に見せたうえで、心残りのないようにして死にとうございます」 臨場の役人はこれを聞いて相談した。その結果こんなに厳重に警固しているうえは、いくら切支丹でも逃げることは思いもよらないから、願いを聞いてやっても好いと云うことになって二人の縄を少しゆるめてやった。 と、見るまに一人は鼠となって、磔の柱に飛びつくが早いか、つるつると上に登って往った。警固の 底本:「日本の怪談(二)」河出文庫、河出書房新社 1986(昭和61)年12月4日初版発行 底本の親本:「日本怪談全集」桃源社 1970(昭和45)年初版発行 入力:Hiroshi_O 校正:小林繁雄、門田裕志 2003年7月24日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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