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新劇協会公演に先だつて(しんげききょうかいこうえんにさきだつて)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-8-30 19:09:13 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 | ||||||||||
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新劇協会が、今度、文芸春秋社の手で経営されることになり、われわれは、微力ながら、将来、同劇団の上演脚本選定並に舞台指揮に関して、共同の責任を負はなければならないことになつた。それについて、個人の立場を離れ、同劇団の関係者として、一応、意の在る処を述べて置きたいと思ふ。 上演すべき脚本は、国の内外、流派、色調の如何を問はないのは勿論であるが、従来、営利劇場の舞台に容れられないために、其の戯曲的価値が、空しく葬り去られようとしてゐるわが国現代作家の新しい作品を、成可く多く世に知らせたいと思ふ。
二、舞台指揮について われわれは「演出者」として、自分達の色彩で此の劇団を塗り上げたくない。われわれは、作者自ら舞台指揮者たることを正当と認め、事情によつては、臨時に、或る脚本の舞台指揮を或る「演出家」に依頼するつもりである。
何と云つても、一劇団の主体を形造るものは、俳優である。新劇協会は、現在著しい不具者である。劇団として、ほんたうの仕事を初めることはまだ出来ない。故に、先づ、完全な劇団の組織を目的として、徐々に必要な手段を講ずる訳である。「これでいゝ」といふ時機は、非常に遠い将来であるかもわからないが、われわれとしては、たゞ、戯曲のインタアプレエトとしての俳優の素質を、より合理的な方法によつて、より速かに向上させることを努めたいと思ふ。 底本:「岸田國士全集20」岩波書店 1990(平成2)年3月8日発行 初出:「演劇新潮 第一巻第八号」 1926(大正15)年11月1日発行 入力:tatsuki 校正:門田裕志、小林繁雄 2005年10月6日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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