元の
喬生は月のひかりで
「別にお約束をしたわけでもないのに、ここでお目にかかるとは、何かのご縁でございましょうね」
それを
「わたしの
女は別に
「わたくしの姓は
今夜は泊まってゆけと勧めると、女をそれをも拒まないで、ついにその一夜を喬生の
こういうことが半月ほども続くうちに、喬生のとなりに住む
「それでは念のために調べてみなさい」と、老翁は注意した。「あの女たちが月湖の西に住んでいるというならば、そこへ行ってみれば正体がわかるだろう」
なるほどそうだと思って、喬生は早速に月湖の西へたずねて行って、長い
喬生は何ごころなくその旅棺をみると、その上に白い紙が貼ってあって「
「ただ怖れていてもしようがない」と、老翁はまた教えた。「
その明くる朝、喬生はすぐに玄妙観へたずねてゆくと、法師はその顔をひと目みておどろいた。
「おまえの顔には妖気が満ちている。いったい、ここへ何しに来たのだ」
喬生は、その座下に拝して、かの牡丹燈の一条を訴えると、法師は二枚の
家へ帰って、その通りに
「お嬢さまが久しく待っておいでになります。あなたもずいぶん薄情なかたでございますね」
「あなたとわたくしとは
女は男の手を握って、
となりの老翁は喬生の帰らないのを怪しんで、
「これは奉化州判の符という人の娘です。十七歳のときに死んだので、かりにその遺骸をこの寺にあずけたままで、一家は北の方へおもむきましたが、その後なんの
なにしろそのままにしてはおかれないというので、男と女の死骸を
「わたしのまじないは
そこで、
大勢は
「わたしはもう六十年も山を
彼は童子を連れて
「この頃ここらに妖邪の
かれらはうけたまわって立ち去ったが、やがて喬生と麗卿と金蓮の三人に
かれらはさらに道人の指図にしたがって、
あくる日、大勢がその礼を述べるために再び登山すると、ただ草庵が残っているばかりで、道人の姿はもう見えなかった。さらに玄妙観をたずねて、道人のゆくえを問いただそうとすると、魏法師はいつの間にか