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発明小僧(はつめいこぞう)
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作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006/8/26 6:19:52 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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海相「発明小僧というのは、君かネ。」
小僧「そうです。感電砲というのを発明しましたから、国家へ
海相「それはどうも、どこに持って来たのかネ。」
小僧「いや実物は重いので紙に書いて持ってきました。」
海相「二重リング陣形?」
小僧「そうです。下のは艦隊、上のは航空隊ですよ。やってくるところを、こっちは感電砲をサッと向けるですナ。
海相「なんだい、それは。」
小僧「つまりこれが感電砲ですよ。砲から空中へ
海相「ああ、もうよろしい。」
陸相「で、どうするというのじゃナ。」
小僧「私の
陸相「フフン。」
小僧「そこで強烈なる電波発生機をこしらえます。つまり一種の送信機ですナ。その発生電波の波長たるやデスナ、近頃流行の短波にするのです。短波も短波、二メートルにするのです。」
陸相「ウム、ウム。」
小僧「この二メートルの超短電波が敵軍にぶっつかると、どうなるかというと、猛烈な電気振動が起ります。敵兵はこの電波をぶっかけられると、たちまち身体が強烈なる電気振動に包まれ、第一にやっつけられるのは心臓です。ギュッとねじられるような激しい刺戟を与えられ、心臓は
陸相「うん、そいつは面白いが、こっちの兵には危険はないか。」
小僧「そりゃ大丈夫です。いまも申したとおり、こっちの兵は一ポイント六メートルで、メートルが足りませんから、そんな電波を身にうけても、電気振動が起らないから大丈夫です。」
陸相「よろしい。それまで!」
小僧「しかし
陸相「それまでッ、
社長「ちょっと待って下さい。わしは製氷会社の社長ですよ。兵器を作れったって、出来ない相談ですワイ。」
小僧「そう思うのが畜生……イエその、つまり浅間しさですよ。出来ます、出来ます。立派に出来ます。社長さんが報国の精神さえあればですよ。もし無いというのなら、私の発明になる時計じかけの
社長「マ、マ、待ってくれ給え、僕はナニもソノ……。」
小僧「よろしい。社長の精神は盲腸のつきあたりまでハッキリ見えました。では始めから
社長「どうも判らないですナ。」
小僧「判ってるじゃないですか。いつか長江の流域八百里に
社長「そりゃ巧い話だが長江の出口を止めるなんて、そんな大変なことが出来るものですか。」
小僧「そこがこの話ですよ。いいですか。大きな汽船の胴中に大きな製氷器械を据えつけるのです。つまり
社長「それはいいが、一体汽船はいくつ位あればいいのです。」
小僧「まず二百
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