沙の数(手まり唄)
一つこぼれた
沙の数 沙の数
百万五千と
かぞへました かぞへました
百万五千の
沙の数 沙の数
かぞへてみたさに
まゐりました まゐりました
二つこぼれた
沙の数 沙の数
かぞへきれずに
帰りました 帰りました
乙鳥の姉さん
あかい紅渡せ
お猪口で渡せ
乙鳥の姉さん
あかい紅渡せ
お手手をお出し
お猪口で渡そ
お手手を出した
あかい紅渡せ
あかい紅渡そ
お猪口で渡そ
乙鳥の姉さん
あかい紅渡せ
とんび
鳶が 輪をかいた
ぴーヨロぴー
油屋の屋根へ来て
ぴーヨロぴー
豆腐屋の屋根へ来て
ぴーヨロぴー
鳶が 屋根へ来た
ぴーヨロぴー
油屋の 油壺
ぴーヨロぴー
豆腐屋の 揚豆腐
ぴーヨロぴー
朝鮮飴や
朝鮮飴やは
飴トロリ
子供に飴売つて
飴トロリ
トロリ トロリ
飴トロリ
トロトロとろける
飴トロリ
子供が飴買つて
飴トロリ
トロリ トロリ
飴トロリ
三日月さん
山の上の 三日月さんは
細いこと
柳の葉よりも
細いこと
薄に切られた
薄に切られた
山の上の 三日月さんは
細いこと
つむいだ糸より
細いこと
薄に切られた
薄に切られた
雀の酒盛り
雀が 米倉 建てたとサ
なーんのこツた なーんのこツた
みそさざい
畑さ 干物 ほしたとサ
見たのか 見たのか
みそさざい
雀が 酒盛りしてたとサ
なーんのこツた なーんのこツた
みそさざい
酒樽 叩いて飲んだとサ
見たのか 見たのか
みそさざい
鈴なし鈴虫
鈴をなくした
鈴虫は
鈴をさがしにいきました
一軒家の表を
のぞいたり
一軒家の裏戸を
のぞいたり
鈴がないか
鈴がないかと
いひました
どこをさがして
あるいても
なくした鈴は
ありません
鈴をなくした
鈴虫は
鈴なし鈴虫になりました
あられとみぞれ
あられは
パーラ パラ
お屋根に
パーラ パラ
雀も
パーラ パラ
お背戸で
パーラ パラ
みぞれは
サーラ サラ
お屋根に
サーラ サラ
雀も
サーラ サラ
お背戸で
サーラ サラ
鼠の米搗き
鼠の米つき
鼠の米つき
コラキタ コラキタ
コラサノサ
一の臼には
お米が一粒
テンキ ポンキ
テンキ ポンキ
コラサノサ
三の臼には
お米が三粒
テソキ ポンキ
テンキ ポンキ
コラサノサ
鼠が米つく
鼠が米つく
コラキタ コラキタ
コラサノサ
縄とび
一つとんだ
とんだ
縄とんだ
とんだ
二つとんだ
とんだ
横丁で
とんだ
ばたり ばたりと
下見てとんだ
三つとんだ
とんだ
お向ふで
とんだ
四つとんだ
とんだ
上手に
とんだ
さらり さらりと
上見てとんだ
鬼さん遊び
鬼さん来ないうち
ざんぶざんぶ 水汲も
跣足で水汲も
一の井戸から
手桶で水汲も
ざんぶざんぶ 水汲も
三の井戸から
釣瓶で水汲も
ざんぶざんぶ 水汲も
鬼さん来ないうち
ざつくざつく 米磨ご
跣足で米磨ご
一の井戸から
水汲んで米磨ご
ざつくざつく 米磨ご
三の井戸から
水汲んで米磨ご
ざつくざつく 米磨ご
秋の夜
秋の夜長に
こほろぎは
コロコロコロコロ
糸をひく
寒さが来るから
来るからと
コロコロコロコロ
糸をひく
子供が寒むがる
寒むがると
コロコロコロコロ
糸をひく
寒さが来るから
こほろぎは
子供の着物を
織る気だろ
田甫の狐
昔わたしの生まれた村の田甫に古狐がゐました。若い女に化けて旅人をだました話があります。
田甫の狐は
赤い櫛さして
赤い帯しめて
うしろ姿見せて
三味線弾いてた
それから風船玉に化けて村の子供をだまさうとした話もあります。
田甫の狐は
芒の蔭で
赤い風船 飛ばした
青い風船
飛ばした
ある時は河童のお芥子坊主と畑の中で酒盛をしてゐた話もあります。
田甫の狐は
河童の
お芥子坊と
畑の中で
小酒盛してた
隣村の狐
わたしの生れた村の隣村の田甫にも悪い古狐が居ました。ある時おさよと云ふ村の娘に化けて五兵衛さんの家の裏を馬に乗つて通りました。
田甫の狐は
瘠馬に乗つて
三度笠かぶつて
五兵衛さん家の
裏の道通つた
五兵衛さんが見たら
笠で顔隠した
「おさよか」と、聞くと
「そだよ」と云つて
笠で顔隠した
「どこへ行く」と、聞くと
「越後の国さ、茶摘みに行くよ
五兵衛さん行かう」と
尻尾出して
見せた
また、ある時はお医者さんに化けてあるきました。
田甫の狐は
薬箱さげて、自足袋はいて
お医者さんにばけた
犬がかけて来たら
薬箱投げて 河原の籔さ
逃げこんぢやつた
犬が行つてしまふと
河原の籔に 首だけ出して
あつち こつち見てた
青野の森
あるとし、わたしの生れた村の田甫の狐が隣村の青野の森へお嫁にいつた話があります。
田甫の狐は島田に結つて
青野の森さ
お嫁になつた
青野の森の
聟さん狐
とんがりお口
青野の森の
嫁さん狐
とんがりお口
海ひよどり
磯の千鳥
磯が涸れたと
啼く千鳥
沙の数ほど
打つ波は
昨日一日
今日二日
磯が涸れたと
云つて啼く
磯が涸れたと
啼く千鳥
どんど どんどと
打つ波は
親の千鳥も
子千鳥も
磯が涸れたと
云つて啼く
赤い靴
赤い靴 はいてた
女の子
異人さんに つれられて
行つちやつた
横浜の 埠頭から
船に乗つて
異人さんに つれられて
行つちやつた
今では 青い目に
なつちやつて
異人さんのお国に
ゐるんだらう
赤い靴 見るたび
考へる
異人さんに逢ふたび
考へる
螢のゐない螢籠
螢のゐない 螢籠
螢は
飛んで 逃げました
今朝目がさめて 見たときに
螢は
飛んで 逃げました
青い ダリヤの葉の上を
急いで
飛んで 逃げました
高い お庭の木の上を
急いで
飛んで 逃げました
螢のゐない 螢籠
さびしい
籠に なりました
ひばり
雲雀は歌を
うたつてる
畑の歌を
うたつてる
朝から晩まで
うたつてる
菜種が咲いたと
うたつてる
げんげが咲いたと
うたつてる
ピーチー ピーチー
うたつてる
月の夜
機織虫は
月の夜に
芒にとまつて
機を織る
カンカラ コン
カンカラ コン
まだ夜は明けない
明けないと
芒にとまつて
機を織る
カンカラ コン
カンカラ コン
くたびれこま
かんぶり ふりふり
かんぶり ふりふり
くたびれました
くたびれました
赤いこまが
くたびれました
かんぶり ふりふり
かんぶり ふりふり
くたびれました
くたびれました
青いこまが
くたびれました
海ひよどり
磯にとまつて
海鵯は
海の向ふの
夢をみた
海の向ふに
小さい船が
赤い帆かけて
走つてる
赤い帆かけた
小さい船に
いつか別れた子供が
乗つてる
船と子供を
海鵯は
磯にとまつて
夢にみた
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