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物のいわれ(もののいわれ)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-9-2 5:58:35  点击:362  切换到繁體中文


       二

 おかあさんにけた山姥やまうばは、うちの中にはいると、さっそくお夕飯ゆうはんにして、子供こどもたちがびっくりするほどたくさんべて、今夜こんやはくたびれたからはやようといって、いつものとおりすえ三郎さぶろうれて、おくはいってました。太郎たろう次郎じろう二人ふたりで、おもてのました。
 夜中よなかにふと、太郎たろう次郎じろうが目をましますと、おくでだれかが、なんだかぼりぼりものべているようなおとがしました。それは山姥やまうばが、すえ三郎さぶろうをつかまえてべているのでした。
「おかあさん、おかあさん、それはなんおとですか。」
 と、太郎たろうきました。
「おなかがすいたから、たくあんをべているのだよ。」
 と、山姥やまうばがいいました。
「わたいもべたいなあ。」
 と、次郎じろうがいいました。
「さあ、げよう。」
 と、山姥やまうばはいって、三郎さぶろう小指こゆびをかみって、子供こどもたちのほうしました。太郎たろうがそれをひろってみると、くらくってよくかりませんけれど、なんだか人間にんげんゆびのようでした。太郎たろうはびっくりして、そっと布団ふとんの中で、次郎じろうみみにささやきました。
おくるのは山姥やまうばにちがいない。山姥やまうばがおかあさんにけて、三郎さぶろうちゃんをべているのだよ。ぐずぐずしていると、こんどはわたいたちがべられる。はやげよう、げよう。」
 太郎たろう次郎じろうはそっと相談そうだんをしていますと、おくではもりもり山姥やまうば三郎さぶろうべるおとが、だんだんたかこえました。
 そのとき次郎じろう布団ふとんからあたまして、
「おかあさん、おかあさん、お小用こように行きたくなりました。」
 といいました。
「じゃあ、きてそとへ出て、しておいでなさい。」
があきません。」
「にいさんにあけておもらいなさい。」
 そこで太郎たろう次郎じろう支度じたくをして、のこのこ布団ふとんからはいして、をあけてそとへ出ました。そらはよくれて、ほしがきらきらひかっていました。二人ふたりはおにわ井戸いどのそばのももの木に、なたでがたをつけて、あしがかりにして木の上までのぼりました。そしてそっといきころしてかくれていました。
 いつまでたっても、きょうだいがお小用こようからかえってないので、山姥やまうばはのそのそさがしに出てました。がたつきがちょうどのぼりかけて、にわの上はかんかんあかるくえました。けれどもきょうだいの姿すがたはどこにもえませんでした。さんざんさがしてさがしてくたびれて、のどがかわいたので、みずもうとおもって、山姥やまうば井戸いどのそばにると、ももの木の上にかくれているきょうだいの姿すがたが、みずの上にはっきりとうつりました。
小用こように行くなんて人をだまして、そんなところにがっているのだな。」
 と、山姥やまうばは木の上を見上みあげて、きょうだいをしかりました。そのこえくと、きょうだいはひとちぢみにちぢみがってしまいました。
「どうしてのぼった。」
 と、山姥やまうばきますから、
「びんつけを木になすってのぼったよ。」
 と、太郎たろうがいいました。
「ふん、そうか。」
 といって、山姥やまうばはびんつけあぶらりに行きました。きょうだいが上でびくびくしていると、山姥やまうばはびんつけをってて、ももの木にこてこてなすりはじめました。
「それ、のぼるぞ。」
 といいながら、山姥やまうばももの木にあしをかけますと、つるり、びんつけにすべりました。それからつるつる、つるつる、何度なんど何度なんどもすべりながら、それでも強情ごうじょうに一けんばかりのぼりましたが、とうとう一息ひといきにつるりとすべって、ずしんとびたにころげちました。
 すると次郎じろうが上から、
「ばかな山姥やまうばだなあ、びんつけをつけて木にのぼれるものか。なたでがたをつけてのぼるんだ。」
 といってわらいました。
「そのなたはどうした。」
 と、山姥やまうばきますから、
「なたは井戸いどのそこにはいっているよ。」
 と、次郎じろうはいってまたわらいました。山姥やまうば井戸いどのそこをのぞいてみましたが、とても手がとどかないので、くやしがって、物置ものおきからかまをさがしてて、ももの木のびんつけをけずとして、あたらしくがたをつけはじめました。山姥やまうばももの木にがたをつけはじめたのをて、きょうだいは心配しんぱいになってきました。そのうちどんどん山姥やまうばがたをつけてしまって、やがてがさがさ、やかましいおとをさせながらのぼってました。子供こどもたちはこまって、だんだんたかえだへ、たかえだへと、のぼって行きました。とうとういちばん上のてっぺんまでのぼって行って、もうこれよりさきへ行きようがないところまでのぼりましたが、やはり山姥やまうばはどんどん上までのぼってます。こまりきってしまって、二人ふたり大空おおぞら見上みあげながら、ありったけのかなしいこえをふりしぼって、
「お天道てんとうさま、かねつな。」
 とさけびました。
 すると、がらがらというおとがして、たか大空おおぞらの上から、ながながてつつながぶらがってきました。太郎たろう次郎じろうはそのつなにぶらがって、するする、するする、大空おおぞらまでのぼってげました。
 山姥やまうばはそれをると、くやしがって、おなじようにそら見上みあげて、
「お天道てんとうさま、くさなわ。」
 と大声おおごえげてわめきました。
 するとすぐ、ぼそぼそというおとがして、たか大空おおぞらの上から、ながながくさなわがぶらがってきました。山姥やまうばはいきなりそのなわにぶらがって、子供こどもたちをっかけながら、どこまでもどこまでものぼって行きました。するうち自分じぶんのからだのおもみで、だんだんなわよわってきて、中途ちゅうとからぷつりとれました。
 山姥やまうば半分はんぶんなわをつかんだまま、たか大空おおぞらからまっさかさまに、ちょうど大きなそばばたけなかちました。そしてそこにあった大きな石にひどくあたまをぶっつけて、たくさんして、んでしまいました。そのがそばのめたので、いまだにそれはのようにいろをしているのです。

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