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世界怪談名作集(せかいかいだんめいさくしゅう)十

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-27 10:22:21  点击:  切换到繁體中文


「はははは。悪性者あくしょうものめがおまえの美しさにちょっかいを出しているな。さあ、寝てしまえ、寝てしまえ。さもないとむちだぞ。手ひどいやつをお見舞い申すぞ」
 こういう声に、私は急に振り返ると、かの老執事が寝巻のままで頭の上に鞭を振り廻しているではないか。老執事はわたしの足もとに唸っている彼女を、あわやぶちのめそうとしたので、私はあわててその腕をつかむと、老執事は振り払った。
「悪性者め、もしわしが助けに来なければ、あの老いぼれの悪魔めに喰い殺されていただろうに……。さあ、すぐにここを出て行ってもらおう」と、彼は呶鳴った。
 わたしは広間から飛んで出たが、なにしろ真っ暗であるので、どこが出口であるか見当けんとうがつかない。そのうちに私のうしろでは、ひゅうひゅうという鞭の音がきこえて、女の叫び声がひびいて来た。
 たまらなくなって、私は大きい声を出して救いを求めようとした時、足もとの床がぐらぐらと揺れたかと思うと、階段を四、五段もころげ落ちて、いやというほどにドアへ叩きつけられながら、小さい部屋のなかへ俯伏うつぶせに倒れてしまった。そこには今あわてて飛び出したらしいからの寝床や、椅子の背に掛けてある褐色の上衣うわぎがあるので、私はすぐにここが老執事の寝室であることをさとった。すると、あらあらしく階段を駆け降りて来た老執事は、いきなり私の足もとにひれ伏して言った。
「あなたがどなたさまにもしろ、また、どんなことをしてあの下司女げすおんなの悪魔めがあなたをこの邸内へ誘い込んだにもしろ、どうぞここで起こった出来事を誰にもおっしゃらないでください。わたくしの地位にかかわることでございます。あの気違いの夫人は懲らしめのために、寝床にしっかりと縛りつけておきました。もうすやすやと睡っております。今晩は暖かい七月の晩で、月はございませんが、星は一面にかがやいております。では、おやすみなさい」
 彼はわたしに哀願したのち、ランプを取って部屋を出て、私を門の外へ押し出して錠をおろしてしまった。わたしは気違いのようになって我が家へ急いで帰ったが、それから四、五日は頭がすっかり変になって、この恐ろしい出来事をまったく考えることが出来なかった。ただ、あんなに長い間わたしを苦しめていた魔法から解放されたということだけは、自分にも感じられた。したがって、かの鏡に現われた女の顔に対する私の憧憬の熱もさめ、かの廃宅における怖ろしかった光景の記憶も、単に何かの拍子に瘋癲ふうてん病院を訪問したぐらいの追憶になってしまった。
 かの老執事が、この世の中からまったく隠されている高貴な狂夫人の暴君的な監視人であることは、もう疑う余地もなかった。それにしても、あの鏡はなんであろう。今までのいろいろの魔法はなんであろう。まあ、これから私が話すことを聴いてください。

 それからまた四、五日ののち、わたしはP伯爵の夜会にゆくと、伯爵は私を片隅に引っ張って来て、「あなたはあの廃宅の秘密が洩れ出したのをご存じですか」と、微笑を浮かべながら話しかけた。
 私はこれに非常に興味を感じて、伯爵がそのあとをつづけるのを待っていると、惜しいことにちょうど食堂が開かれたので、伯爵もそのまま黙ってしまった。私も伯爵の言葉を夢中になって考えながら、ほとんど機械的に相手の若い娘さんに腕をかして、社交的な行列のなかに加わった。
 そうして、私は定められた席へその娘さんを導いてから、はじめてその娘さんの顔をみると、いや、驚いた、かのまぼろしの女がわたしの眼の前に突っ立っているではないか。私は心の底までふるえあがったが、かの幻影に悩まされていた当時のように、気違いじみた憧憬は少しも起こって来なかった。それでも相手の娘さんがびっくりしたように私の顔をじいっと眺めているのを見ると、私の眼にはやはり恐懼きょうくの色が現われていたに相違なかった。私はやっとのことで気をしずめると、てれ隠しに、あなたには以前どこかでお目にかかったような気がしますがと言うと、意外にも、生まれてから初めてきのうこのX市に来たばかりですと、相手にあっさりと片づけられてしまったので、私の頭はよけいに混乱して、婦人に不作法ではあったが、そのままに黙っていた。しかも彼女の優しい眼で見られると、わたしは再び勇気が出て、この新しい相手の娘さんの心の動きを観察してみたいような気にもなってきた。たしかにこの娘さんは、可愛らしいところはあるが、何か心に屈託くったくがありそうにも見えた。おたがいの話がだんだんはずんできた時分に、わたしは大胆に辛辣しんらつな言葉を時どきに用いると、いつも微笑していたが、その蔭にはあたかも傷口に触れられた時のような苦悩がひそんでいるようであった。
「お嬢さん、今夜は馬鹿にお元気がないようですが、けさお着きでしたか」と、私のそばに坐っていた士官がその娘さんに声をかけた。
 その言葉がまだ終わらないうちに、彼のとなりにいる男が士官の腕をつかんで何かその耳にささやいた。すると、また食卓の反対の側では、ひとりの婦人が興奮して顔をまっかにしながら、ゆうべ観て来た歌劇の話を大きな声で語り始めた。こうした愉快そうな環境が彼女の淋しい心にどう響いたのか、その娘さんの眼には涙がこみあげてきた。
「わたし、馬鹿ですわね」と、彼女はわたしの方を向いて言った。それからしばらくして彼女は頭痛がすると言い出した。
「なァに、ちょっとした神経性の頭痛でしょう。この甘美な、詩人の飲料(シャンパン酒)の泡のなかでぶくぶくいっている快活なたましいほど、よくく薬はありませんよ」と、私は心安だてにこう言いながら、彼女のグラスにシャンパンを一杯に注いでやると、彼女はちょっとそれにくちをつけて、わたしのほうに感謝の眼を向けた。
 彼女の気分は引き立ってきたらしく、このままでいったら何もかも愉快に済んだかもしれなかったのであるが、私のシャンパン・グラスがふとしたはずみで彼女のグラスと触れた刹那、彼女のグラスから異様な甲高かんだかい音が発したので、彼女もわたしも急に顔色を変えた。それはかの廃宅の気違い女の声の響きとまったく同様であったからであった。
 コーヒーが出てから、私はうまく機会を作ってP伯爵のそばへ行くと、伯爵は私のこの行動を早くもさとっていた。
「あなたは隣りの婦人がエドヴィナ伯爵家の令嬢であることを知っていますか。それから、長いあいだ不治の精神病に苦しみながらあの廃宅に住んでいるのが、あの娘さんの伯母であるということを知っていますか。あの娘さんは、けさ母親と一緒に不幸な伯母に逢いに来たのです。あの狂夫人の暴れ狂うのを鎮めることの出来るものは、かの老執事のほかになかったのですが、そのただひとりの人間がにわかに重病にかかったというわけです。なんでもあの娘さんの母親はK博士に伺って、あの家の秘密を打ち明けたそうですよ」
 K博士――その名はすでに諸君も御承知のはずである。そこで言うまでもなく、私は少しも早くその謎を解くために博士の宅を訪問して、私の安心が出来るように、くわしくかの狂女の話をしてくれと頼んだ。以下は、秘密を守るという約束で、博士がわたしに話してくれた物語である。

 アンジェリカ――Z伯爵令嬢はすでに三十の坂を越えていたが、まだなかなかに美しかったので、彼女よりもずっと年下のエドヴィナ伯爵は熱心に自分の恋を打ち明けた。そうして、二人はその運だめしに父Z伯の邸へ行くことになった。ところが、エドヴィナ伯爵はその邸へはいってアンジェリカの妹をひと目見ると、姉の容色が急にせてきたように思われて、彼女に対する熱烈な恋は夢のようにめてしまい、さらに妹のガブリエルとの結婚を父の伯爵に申し込んだのである。Z伯爵は妹娘もエドヴィナ伯爵を憎く思っていないのを知って、すぐに二人の結婚を許した。
 姉のアンジェリカは男の裏切りを非常にうらんだが、表面はいかにも彼を軽蔑したように、「なァに、伯爵はわたしの鼻についた玩具おもちゃであったということをご存じないんだわ」と言っていた。しかもガブリエルとエドヴィナ伯爵の婚約式が済んでからは、アンジェリカは一家の団欒だんらんの席に顔をみせないことも少なくなかった。それのみならず、彼女は食堂にも出ないで、ほとんど一日を森の中の独り歩きに暮らしていた。
 ここに一つの異様な事件がこの城における単調な生活を破った。ある日、村の百姓のうちから選抜されたZ伯爵家の猟人かりうどらが、最近にとなりの領地で殺人や窃盗をもって告訴されたジプシーの一団を捕縛して、男たちは鎖につなぎ、女子供は馬車に乗せて城の中庭へ引っ立てて来た。女のジプシーの群れの中では、頭から足のさきまで真っ赤な肩掛を着た一人のひょろ長い、痩せこけた、ものすごい顔の老婆がすぐに目についた。その老婆は馬車のなかに立って、いかにも横柄おうへいな声で自分を馬車から降ろせと命令するように言い放つと、その態度に恐れをなして、伯爵の家来たちはすぐにその老婆を降ろしてやった。
 Z伯爵は中庭へ降りて来て、この囚人団を城の地下室の牢獄へ繋ぐように命じた。そのとたんに、髪を乱し、恐怖の色をその顔にみなぎらしたアンジェリカが邸の内から走り出て、父の足もとにひざまずいた。
「あの人たちをゆるしてやってください、お父さま。あの人たちを赦してやってください。もしお父さまがあの人たちの血一滴でもお流しになれば、わたしはこのナイフで、わたくしの胸を突き透します」
 ナイフを打ち振りながら鋭い声でこう叫ぶと、そのまま気を失ってしまった。
「そうですとも、そうですとも、お美しいお嬢さま。私はあなたが私たちをお助けくださることをよく存じております」
 こう金切り声で叫んだのち、ジプシーの老婆は何か口の中でつぶやきながら、アンジェリカのからだにしかかって、胸が悪くなるような接吻を彼女の顔といわず胸といわず浴びせかけた。それから肩掛けのポケットから、小さい金魚が銀の液体のなかで泳いでいるように見えるガラスの小壜を取り出して、アンジェリカの胸のところへ持ってゆくと、たちまちに彼女は意識を回復した。彼女は眼を老婆の上にそそぐと、やにわにがばと身を起こして老婆を抱きかかえ、疾風しっぷうのごとくに城内へ連れ去ってしまったので、Z伯爵をはじめ、途中から出て来た妹のガブリエルも、その恋人のエドヴィナ伯爵も、あまりの驚異に身の毛をよだてた。Z伯爵はともかくもその囚人たちのくさりをはずさせて、みな別べつの牢獄へ入れさせた。
 翌朝、Z伯爵は村びとを召集して、その面前でジプシーらには罪のないことを宣告した上、自分の領地の通過券を渡してやったが、その解放されたジプシーの一団のうちには、かの真っ赤な肩掛けを着た老婆の姿は見えなかった。きっと金鎖をくびに巻いて、スペイン風の帽子に赤い羽をつけているジプシーの親方が、前の夜ひそかに伯爵の部屋を訪問して、伯爵に頼み込んだのであろうと、村びとらはささやき合っていた。実際ジプシーらが去ってのち、かれらは殺人でも窃盗でもないことが分かった。
 ガブリエルの結婚式の日はいよいよ近づいてきた。ある日、中庭へ数台の荷馬車をき込んで、それに家財道具や衣裳類を山のように積んであるのを見て、ガブリエルはびっくりした。次の日、Z伯爵はいろいろの事情から、アンジェリカがX市の別邸に自分ひとりで暮らしたいという申し出でを許したということを、ガブリエルに言って聞かせた。伯爵はその別邸を姉娘にあたえ、家族の者はもちろん、父の伯爵でさえ彼女の許可なくしてはその別邸へ出入りをしないということを、彼女に誓った。それからまた伯爵は、彼女のせつなる願いによって、自分の家僕を彼女の家事取締りのために付けてやることをも承諾した。
 結婚式は無事に済んだ。エドヴィナ伯爵と花嫁のガブリエルは自分たちの邸で水入らずの幸福な生活を営んだ。ところが、不思議なことには、何か秘密な悲しみが生命をむしばんで、快楽と精力とを奪い去ってゆくかのように、エドヴィナ伯爵の健康は日ごとに衰えてきた。新妻のガブリエルは夫の心配の原因をどうかして探り知ろうとして、あらゆる手段を尽くしてみたが、それはみな徒労であった。そのうちにエドヴィナ伯爵は、このままでは自然に喰い入ってくるのろいのためにり殺されてしまうのを恐れて、医者の指図するがままに断然その邸をあとにして、ピザへ出発した。そのおり彼の新妻は身重であったので、夫と一緒に旅立つことが出来なかった。
「以上はガブリエル夫人が私に打ち明けた物語であるが、それはあまりに狂気じみているので、よほど鋭い観察力をもってしなければ、話の連絡をつかむことが出来ないくらいであった」と、博士は注を入れて、また話した。
 ガブリエル夫人は、夫の不在中に女の子を生んだが、間もなくその赤ん坊は邸内から何者にかさらわれて、八方手を尽くしてたずねたが、ついにその行くえが知れなかった。母親の夫人の悲歎ひたんはたの見る目も憐れなくらいであったところへ、てて加えて父のZ伯爵から、ピザにいるはずのエドヴィナ伯爵がX市のアンジェリカの邸で煩悶はんもんをかさねて瀕死の状態にあるという手紙に接して、夫人はほとんど狂気せんばかりになった。
 夫人は産褥さんじょくから離れるのを待って、父の城へせつけた。ある晩、彼女は生き別れの夫や赤ん坊の安否を案じわびて、どうしても眠られないでいると、気のせいか寝室のドアの外でかすかに赤児の泣くような声が聞こえるので、灯をともしてドアをあけて見ると、思わず彼女はぎょっとしたのである。ドアの外には真っ赤な肩掛けのジプシーの老婆がいつくばいながら、「死」をはめ込んだような眼でじっと彼女を見つめているばかりか、その腕には夫人を呼びさまさせた声のぬしの、赤ん坊を抱えていた。あっ! 私の娘だ――夫人はジプシーの老婆の腕から奪い取った我が子を、嬉しさに高鳴りするわが胸へしっかりと抱きしめた。
 夫人の叫び声におどろかされて、家人が起きてきた時には、ジプシーの老婆はもう冷たくなっていて、いくら介抱しても息を吹きかえさなかった。
 Z老伯爵はこの孫にかかわる不可思議な事件の謎が少しでも解けはしまいかと、急いでX市のアンジェリカの邸へ行った。今では彼女の気違いざたに驚いて女中はみな逃げてしまって、かの執事だけがただ一人残っていた。老伯爵がはいった時には、アンジェリカは平静であり、意識も明瞭であったが、孫の物語が始まると、彼女は急に手を打って大声で笑いながら叫んだ。
「まあ、あの小娘は生きていまして……。あなた、あの小娘を埋めてくださいましたでしょうね、きっと……」
 老伯爵はぞっとして、自分の娘はいよいよ本物の気違いであることを知ると、執事の止めるのも聞かずに、彼女を連れて領地へ帰ろうとした。ところが、彼女をこの家から連れ出そうとすることをちょっとほのめかしただけで、アンジェリカはにわかに暴れ出して、彼女自身の命どころか、父親の命までがあぶないほどの騒ぎを演じた。
 ふたたび正気にかえると、彼女は涙ながらに、この家で一生を送らせてくれと父親に哀願した。老伯爵はアンジェリカの告白したことは、みな狂気の言わせるでたらめだとは思ったが、それでも娘の極度の悩みに心を動かされて、その申しいでを許してやった。その告白なるものは、エドヴィナ伯爵は自分の腕に帰ってきて、ジプシーの老婆が父の邸へ連れて行った子供は、エドヴィナ伯爵と自分との仲に出来た子供だというのであった。X市には、Z伯爵が哀れな姉娘を城へ連れて帰ったという噂が立ったが、その実、アンジェリカは依然として例の執事の監視のもとに、かの廃宅に隠されていたのであった。
 Z伯爵は間もなく世を去ったので、ガブリエル夫人は父の亡きあとの家庭を整理するためにX市に戻ってきた。もちろん、彼女が姉のアンジェリカに逢えば、かならず何かの騒動がおこるに決まっているので、ガブリエル夫人は不幸な姉に逢わなかった。しかも、その夫人は不幸な姉を老執事の手から引き離さなければならないことに気がついたと言っていたが、その理由は私にも打ち明けなかった。ただいろいろのことから帰納的に想像して、かの老執事が女主人公の暴れ出すのを折檻せっかんして取り鎮めるとともに、彼女が金を造り得るという妄信に釣り込まれて、彼女のものすごい試験の助手を勤めていたことだけはわかってきた。
「さて、こうした不思議な事件の心理的関係を、あなたにお話し申す必要はあるまいと思います。しかし、かの精神病の婦人の回復が死の鍵である最後の役目を勤めたのは、明らかにあなたであると思います。それからあなたに告白しなければならないのは、実は私があなたのくびのうしろに手を当てて、あなたの催眠状態の母体になっていた時、わたしは私自身の眼にもあの鏡の中に女の顔を見て、はっとしましたよ。しかし、ご安心なさい。あの鏡に映ったのはまぼろしの女ではなく、エドヴィナ伯爵夫人の顔であったということがやっと分かりましたよ」

 博士の話はこれで終わった。博士はわたしの精神に安心をあたえるためにも、この事件について、この以上には解釈のしようがないと言ったので、その言葉をここに繰り返しておきたい。
 私もまた今となって、アンジェリカとエドヴィナ伯爵と、かの老執事と私自身との関係――それは悪魔の仕業しわざのようにも思えるが――その関係を、この上に諸君と議論する必要はないように思われる。私はこの事件の直後、ぬぐい去ろうとしても拭い去ることの出来ない憂鬱症のために、われるようにしてこのX市を立ち去った。それでもなお一、二ヵ月は気味の悪い感じがどうしても去らなかったが、突然それを忘れてしまって、なんともいえない愉快な心持ちが幾月ぶりかで私の心にかえってきたということだけを、最後に付け加えておきたいのである。
 わたしの心に、そうした気分の転換が起こった刹那に、X市ではかの気違いの婦人が息を引き取った。





底本:「世界怪談名作集 下」河出文庫、河出書房新社
   1987(昭和62)年9月4日初版発行
   2002(平成14)年6月20日新装版初版発行
入力:門田裕志
校正:hongming
2003年11月25日作成
青空文庫作成ファイル:
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