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超人間X号(ちょうにんげんエックスごう)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-25 6:50:25  点击:  切换到繁體中文



   X号反撃


 その時、扉のそばに立っていた少年が大声で叫んだ。
「先生、たいへん、たいへんですよ。倒れていた機械人間(ロボット)が、また動きだしました」
「そんなばかな……」
 と答える博士の声も、とたんに上ずっていた。
 しかし、これはけっしてうそでもなんでもなかったのである。部屋の中に倒れている機械人間こそ、頭の受信装置を、火焔放射器(かえんほうしゃき)で焼ききられているので、動きだしはしなかったが、廊下にひっくりかえっていた、無傷(むきず)の機械人間は、むくむくと起きあがりはじめたのである。
 どこからか、電波が送られはじめたのだ。ここの送波装置(そうはそうち)は、全部スイッチを切ってしまってあったのだから、どこか気のつかない所にあった、予備の操縦装置を、X号が動かしはじめたのだろう。
 先頭に立った機械人間は、恐ろしい勢いでこちらへとびかかって来た。さいわいに火焔放射器がものすごい火焔をふきだして、その機械人間は、ウワァーッといって倒れたが、つづいて一人、また一人――
 五人の少年は、戸口にならんで、火焔放射器で火の幕を作った。そしてどうにか、その先頭部隊だけを倒すことができたが、残りの機械人間が、全部活動をはじめたとなると、これはどんな武器を持って襲撃してくるか。多勢に無勢、はじめの奇襲(きしゅう)こそ成功したが、正面からの戦争となると、なんといってもこちらは不利だといわねばならない。
「山形君、大急ぎで地階へおりてくれたまえ。そして発電装置を破壊するんだ。ぼくはそれまで、この操縦装置を動かして、向こうの電波を妨害(ぼうがい)するから――」
 警部の機械人間は、壁のボタンを押して、エレベーターへ飛びこむと、さっそく地階へおりて行った。博士の機械人間は、操縦盤の前に坐ると、しきりにダイアルを動かしはじめたが――
「先生、また機械人間の一隊が、向こうにあらわれましたよ。こんどは何か手に黒い手榴弾(てりゅうだん)のようなものを持っています」
 戸山少年の機械人間は、ついに悲鳴(ひめい)をあげたのである。
「その机の前に、怪力線(かいりきせん)の放射器がある。それを向こうに向けて、ボタンを押したまえ」
 博士はけんめいに叫んだ。
 向こうにあらわれた機械人間は、手に手に手榴弾のようなものを持ち、こちらへ向かって、投げつけようとしたが、戸山少年が機械のボタンを押すやいなや、目に見えぬ怪力線が放射されたのであろう。
 機械人間の手に持っていた爆薬(ばくやく)は、大音響(だいおんきょう)を立てて爆発し、機械人間の一隊は、こっぱみじんに吹きとばされたのである。
「先生、愉快(ゆかい)、愉快ですね。これさえあればもう大丈夫。もう何人、機械人間があらわれても平気ですよ」
 機械人間の破片(はへん)は、こちらへもものすごい勢いで飛んで来たのだから、もし博士や少年たちが、機械人間の中へはいっていなければ、その爆風や断片で、大けがをしたにちがいない。しかしさいわいに、なんの負傷もしなかったのだから、少年たちはしきりに愉快がっているのだった。
「それはいいが、困ったことになってしまったよ」
 博士の声は震(ふる)えていた。
「どうしてです」
「いまの爆風と破片で、こちらの操縦装置がこわれてしまったんだよ。もうこちらからはなんの電波も送れないんだから、機械人間の活動を妨害する方法はないんだ。いまに毒ガスでも使われたら、こちらには防ぐ方法がない。早く山形君が、発電装置をこわしてくれないかぎり、戦いはこちらの負けだよ」
 博士のことばは悲壮(ひそう)であった。ところが、たのみに思う山形警部の機械人間は、悄然(しょうぜん)として、エレベーターからふたたび姿をあらわしたのである。小わきには、冷蔵庫にしまってあった、自分のもとのからだをだいていた。
「山形君、どうしたんだね」
「先生、だめなんですよ。発電室の前には、何十人という機械人間が、火焔放射器を持って立っていて、めったなことでは近づけません。こちらの戦法を、向こうに横どりされましたよ。それでこうして逃げて来たんです」
 山形警部は、いまにも泣きだしそうな声であった。
「困ったな。それで君のだいているそのからだは、いったいどうしたんだい」
「どうせ死ぬのなら、こんな女のからだではなく、せめて自分のからだで死にたいと思いましてね。いよいよ玉砕(ぎょくさい)ときまったら、先生に手術してもらいたいと思いまして……」
 山形警部はついに泣き声になってしまった。
「困った、困った……」
 博士の機械人間は、腕を背中にくんで、部屋の中を、こつこつと歩きまわっていた。第一次、第二次の攻撃は、どうにか撃退したものの、いつあらたな武器を持って、第三次の攻撃が始まらないともかぎらないのだ。
「よし、全員待避(ぜんいんたいひ)!」
 博士は一同をひきつれて、エレベーターへ乗りこんだ。


   原子爆弾


 まさに、危機一髪という瞬間であった。もしあと五分おくれたら、みんなの命はなかったろう。
 X号の命令で、猛烈な毒ガスが、この階に充満(じゅうまん)されたのだった。
 階上二十四階の、第二機械人間操縦室で、X号はにたにたと、悪魔のような笑いを浮かべていた。
「M53号報告。七階全部に、毒ガスの充満おわりました」
「よし、第一機械人間操縦室へ侵入して、敵の屍体(したい)を確認、収容せよ。敵は七名。機械人間の中にはいっているはずだ」
 さすがに、この時には、X号にも、博士たちがどうして地下十六階を逃げだし、七階を攻撃したか、その方法がわかっていたのである。
 しばらく、ぶきみな沈黙がつづいた。
「M53号報告、M53号報告――」
 ふたたびラウドスピーカーからは、機械人間の声が流れだす。
「どうした。屍体は発見できたか」
「それがだめです。ここにいる機械人間は全部味方のものばかり、人間などはどこにもはいっておりません」
 おどろいたような声であった。X号もまた顔色をかえて、操縦盤の前に立ちあがった。
「おかしいな。あの毒ガスの中をくぐって逃げられるわけがないが。さては、そのまえにいち早く逃げだしたな。これはまた、やっかいなことになったわい」
 その時である。またラウドスピーカーからひびいて来た機械人間の声。
「B8号報告。ただいま、武装警官の一隊を満載(まんさい)したトラックが、三角岳のふもとへとどいたという情報がはいりました。どういたしましょう」
 X号は立ちあがって、部屋の中を二三歩、歩きまわっていたが、割れるような大声を出してどなりたてた。
「よし、第一、第三、第五ロケット砲発射準備。射撃距離(しゃげききょり)にはいったら、射撃開始!」
 いよいよX号は、人類と全面的な戦闘を開始しようとしたのである。
 その時だった。ラウドスピーカーから、勝ちほこったような、谷博士の声がひびいて来た。
「X号よ。X号よ。わしの声が聞こえるか」
「なんだ、きさまは谷博士だな」
「そうだ。谷だ。X号よ、おまえの野望(やぼう)もこれで完全に破砕(はさい)されたぞ。おまえのような、感情を持たない生物のために、人類が滅亡(めつぼう)させられたりしてたまるものか。おまえの命も、これでもうおしまいだぞ」
「何を世まよいごとをぬかす。わしは無限の生命を持って生まれた。火でも水でも電気でも、わしを殺すわけにはいかないのだぞ」
「そのとおり。だがわしはおまえの生(う)みの親(おや)として、おまえを殺す、ただ一つの方法を知っている――」
「それは――」
「原子爆弾で、この研究所の建物といっしょに、おまえのからだをこっぱみじんに吹っとばす。おまえの生命(せいめい)をつかさどる電臓も、原子力の前には、何の力もないのだ」
「ちくしょう」
 X号は鬼のように、頭髪(とうはつ)を逆立(さかだ)てさせて、火花の息を吹きだした、
「そんなことをしてしまったら、きさまらだって生命はないぞ」
「もとよりそれはかくごのまえだ。X号よ。では永遠におさらばだよ」
 博士の声は、ぷつりと切れた。しかしそれと同時に、その部屋の短波受信機は、次のようなことばを捕えたのだった。
「――武装警官隊に告ぐ、武装警官隊に告ぐ。三角岳研究所はまもなく、原子爆弾によって爆発する。三角岳から急速待避(きゅうそくたいひ)せよ。爆発は、あと十分後の予定、緊急待避せよ。緊急待避せよ――
 もちろんX号も、原子爆弾の威力(いりょく)は十分に知っていた。いま、地下一階から七階までの工場で製造している原子爆弾と、その材料のウラニウムが、ぜんぶ一度に爆発したら、この研究所の建物は、あとかたもなく吹きとばされてしまうのだ。
「よし、残念だが、背に腹はかえられない。十分のあいだにここを逃げだして、再挙(さいきょ)をはかることにしよう」
 X号も、ついに最後のかくごをきめたのである。
「L19号、L19号」
 X号はラウドスピーカーに向かってよびかけた。
「はい。ご用はなんですか」
「五分以内に、原子爆弾全部と、原料ウラニウムを、二十四階に運びあげろ」
「はい。承知しました」
「よし、あれが手もとにありさえすれば――」
 X号は、またしても、悪魔のような恐ろしい笑いを浮かべたのだった。

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