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超人間X号(ちょうにんげんエックスごう)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-25 6:50:25  点击:  切换到繁體中文


   サルは語らず


「いや、なんだ、まだ博士はどこへも逃げてはいないじゃないか」
 さすがの超人X号も、まだ博士とサルの入れかえには気がつかなかったのである。
「やい、谷博士。きさまはよくも、あの小わっぱどもとしめしあわせて、このおれに手むかおうとたくらんだな。もうこのままにはしておけんぞ。八つざきにしてやるから、かくごしろ」
 ところが、サルはそのことばの意味も分からないように、鉄棒をゆすぶってキャーッと叫んでいただけである。
「そんな手で、わしをだまそうとしたって、ききめはないぞ。さあ、小僧たちに何をおしえた」
「キャーッ、ウォーッ」
 あいかわらず、サルは返事をしないのだった。
「いわないなら、いわんでもいい。いま聞いてやるからそう思え」
 X号は、壁にかかってあるレシーバーを耳にあて、壁のボタンを押した。この檻全体が一つの脳波受信機(のうはじゅしんき)になっていて、中にいる谷博士の考えていることは、ちゃんとこのレシーバーから聞こえて来るのである。ところがその時は、キャーッという叫びと、ズーズーという雑音(ざつおん)がはいるだけで、かんじんの博士の考えは、何一つX号に分からなかった。
「はてな。こんなはずはないが。どうしたのかな。機械の故障かな。それとも博士がいつのまにか、ほんとうのサルに退化(たいか)したんかしら」
 さすがのX号も、この時は、思わず首をひねったのである。
 その時、うしろの廊下から、一人の機械人間があわててとびこんで来た。
「毒ガス注入(ちゅうにゅう)終りました」
「よし、それではすぐに圧縮空気(あっしゅくくうき)を吹きこんで、毒ガスを追いだせ」
「はい」
 消毒作業はまもなく終った。
「それでは火焔放射器で、この扉を焼ききれ」
「はい」
 一人の機械人間が、火焔放射器を扉にむけ、またたくまに、錠はとけて焼けおち、扉はガタンとひらいたが、中には五人の少年とサルが毒ガスにやられて、倒れていると思いのほか、残っているのはからの檻だけ――中には何もはいっていなかった。
「しまった。まんまと小僧めと博士にしてやられたわい。さては博士はサルと入れかわって、となりの部屋から逃げだしたと見える。だが、どうしてこの階から上へ逃げだしたろう」
 X号はがくがくとからだをふるわせて、興奮(こうふん)しきっていたのである。
 ところが、X号のおどろきは、まだまだそれではすまなかった。廊下いっぱいに、ラウドスピーカーから、大きな声がひびきわたった。
「非常警報、非常警報。
 ただいま機械人間操縦室に、火焔放射器を持ったあやしい機械人間が七名侵入、目下激戦中(げきせんちゅう)、応援(おうえん)たのむ。応援たのむ。オー、ウワァーッ」
 けたたましい悲鳴(ひめい)とともに、その放送はばたりとたえてしまったのである。
 さすがのX号も、こんどというこんどは恐ろしさにたまりかねた。あわててあたりを見まわすと、まわりにいた機械人間は、一人のこらずばたりと動かなくなってしまったのである。
 さては怪機械人間の一味が、機械人間操縦室を占領したのだ。そうして機械を停止して、機械人間へ送る電波を切ったのだろう。
 だが事はそれだけではすみそうにもない。万一(まんいち)彼らが、別の電波を送りはじめたら、機械人間はまた動きだして、自分へとびかかって来ないともかぎらないのだ。
 X号は血まなこになって、エレベーターへとびこんだ。
「地上二十四階へ」
 エレベーターは矢のように、地下十六階から、この研究所の最上階、二十四階へ飛びあがっていった。


   機械人間(ロボット)の正体


「やれやれ、これでやっと一仕事かたづいたわい」
 機械人間操縦室を占領した、怪機械人間の一隊は、さすがにほッとした様子であった。
 部屋の中には、五六人の機械人間が、火焔放射器でやられてひっくりかえっており、壁にはめこまれた、数千のダイアルの前では、ちゃんと人間の形をした、人造人間が、うつぶせになって倒れていた。
「先生、これでもうこっちのものですね。機械人間さえやっつけてしまえば、X号の一人ぐらい、恐るることはありませんよ」
 その声は、どうやら戸山君らしかった。
「いやいや、まだまだゆだんは禁物(きんもつ)だ。X号は、このうえ何を考えだすか、知れないのだから、なんとかして、あいつをこっぱみじんに粉砕(ふんさい)してしまわないと、どうしても安心はできないよ」
 その声は、たしかに谷博士である。
「ではどうして、あの電臓(でんぞう)をたたきつぶすのです」
 別の機械人間がたずねた。
「あいつを作りだしたのは、ぼくとしても、一生一代の失策だったよ。やはり人間というものは、自分の力の限界をさとるべきだった。生命を作りだすということは、神さまだけのなすことで、人間の力でくわだてることではないんだ。それをやろうと思ったのが、ぼくがこうして苦しむもとになったのだ……。
 いや、今さらそんなことをいっている場合じゃない。X号の電臓は、三千万ボルトの高圧電流で生命を受けたのだから、ちょっとやそっとの方法では、殺すことはできない。ここにいたような、ふつうの電臓なら、実験室の百万ボルトぐらいで動きだした、下等な電臓だから、火焔放射器でのびてしまうけれど、あいつはそんなことではとうていだめだ。たった一つのこされた方法は……」
「それはいったいどうするのです」
「恐ろしい方法だが、いまここではいえない。それよりもまず、一刻も早く、外部に連絡をとろう。山形君、短波放送で、警察に連絡をしてくれたまえ」
「はい」
 一人の機械人間が答えて、短波放送機に近づいた。
 山形――といえば、どこかで聞いたような名ではないか。そうだ。X号によって、娘のからだの中へとじこめられた、山形警部が、あの地下室へあらわれた、怪機械人間の正体だったのである。
 彼は、自分の体がはずかしいので、役所にも出ず、自分の家へひきこもったきりだったが、何度もとのからだにかえしてくれとたのんでも一向にらち[#「らち」に傍点]があかず、そのうちに博士がふしぎなことばかりやりだしたので、いよいよ博士の正体に恐ろしい疑いをいだき、一人の機械人間をばらばらに分解して、その中の機械をとりだし、自分がその中にはいって、機械人間のように見せかけ、この研究所の中へはいりこんで、内部の様子をさぐっていたのである。谷博士や少年たちが、地下十六階から脱出(だっしゅつ)する時も、やはり倉庫にはいっていた、予備の機械人間を分解し、その中にはいって逃げだしたのだった。それだから、階段やエレベーターにも怪しまれず、ほかの機械人間にも気づかれずに、ここまでやって来ることができたのである。
 ――谷博士は、まっかなにせ者、X号が化けていたことがわかった。山形警部は、戸山少年たち五名と協力し、ほんものの谷博士を救いだして、研究所の中心部を占領し、機械人間を活動停止させた。即刻(そっこく)警官隊を出動させて、研究所の建物全部を占領せよ。われわれは全力をあげてX号を追跡する――
 こういう短波放送が、くりかえしくりかえし、電波に乗って流れて行った。まもなく、
 ――大手柄を感謝す。武装警官百五十名は、いまトラックに分乗して、三角岳に向かった。ひきつづき、X号の逮捕に努力せられたし。署長――
 という返事があったのである。
 だが谷博士は、ふきげんだった。
「逮捕など、そんな生やさしいことが、X号に向かってやれるものか。X号を殺すか、われわれが殺されるか。食うか食われるかの争いなのに、そんなことでは、どうするんだ」
 そして、博士のことばのとおり、X号の反撃は、またたくうちにはじまったのである。

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