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地球要塞(ちきゅうようさい)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-25 6:37:28  点击:  切换到繁體中文


   舵器損傷だきそんしょう!――本艇は沈下しつつあります


 じじじン、じじじン
 水中を、爆発音が波動してきた。敵の潜水艦の艦橋付近に、見事に命中したのだ。アンテナが吹き飛ばされるところが、まるでえびが触角をふりたてているように見えた。
 つづいてもう一発!
 今度は、敵潜水艦の水中聴音器の振動板に、気持よく命中した。潜水艦は、もちあげられた。そしてくるっと腹を上にして、一回転した。おびただしい泡が、艦内からぶくぶくと浮きあがるのが見える。
「おお、うまくいったぞ」
 私は思わず大きい声をあげた。まずこれでクロクロ島の仇討を、見事一本、とったつもりであった。
 最初にアンテナを狙い、次に水中聴音器を壊す。こうすれば、この潜水艦は、急を艦隊に告げるいとまもなにもありはしないのだ。
 そこで私は、ちょっと気をゆるませた。自分でも、その際、無理もないことであったと思うが、それがいけなかった。いつの間にか、わが魚雷型潜水艇の背後に、敵の別な潜水艦が忍びよっていたことには、気がつかなかったのである。小型だけに、多種のいい光学兵器をつみこめないのが、この潜水艦の欠点であると思っていたが、その欠点が、ここに破綻はたんを生じたのである。
「舵器が、壊れました!」
 と、オルガ姫が叫ぶのと、艇が今にもばらばらに壊れるのではないかと思うほど、はげしく鳴動めいどうを起すのと、同時であった。
「えっ、原因は何だ?」
 と、私は叫んだが、オルガ姫は、
舵器だきが、壊れました!」
 と、同じ言葉をくりかえすばかりである。
 私は反射的に、赤外線望遠鏡に目をあてて、視野を切りかえた。すると、鏡底きょうていに、敵の潜水艦の巨大なへさきが現われたと思うと、さっとレンズの前を横ぎって消えたのを認めた。
「あっ、別な敵だ。背後から襲撃しやがったんだな。オルガ姫、いま背後をかすめて通ったやつを追いかけろ」
「はい」
 オルガ姫は、素直にそう答えた。
 しかし私はすぐさま、自分の出した号令の無意味さに気がついた。敵を追いかけろといっても、舵器がこわれてしまったのでは、どうにもならないのだ。わが潜水艇は、水中を走りだした。ただ、走りまわるだけであった。見当も何もあったものではない。わが舵器を壊して得々たる敵の潜水艦に、復讐ふくしゅうの一弾を見舞うどころの騒ぎではないのだ。
 事態はわれわれに、いよいよ不利となってきた。
「どうなるのだ、これから……」
 さすがの私も、ちょっと不安な気持になった。うっかりしていると、このまま岩礁にでもへさきを激突させ、不本意な自爆をやるようなことにならぬとも限らない。いや、限らないどころかそのおそれが、充分にあるのだ。
「オルガ姫、急いで速度を下げろ。時速十キロまで下げろ!」
 私はついに、そう命令せざるを得なかった。いや、考えるまでもなく、いまわが艇は危険な状態に置かれているのだ。
「はい、速度下げます。只今、三百五十キロ。はい、三百四十、三百三十……」
「あ、そんなことじゃ駄目だ。もっと下げろ。最大急行で、下げろ」
「はい。最大急行で下げます」
 私は次の瞬間、目の前がまっくらになるのを感じた。ものすごい頭痛が、私を苦しめた。――そして嘔気を催した。あまり急いで、速度を下げたからである。慣性緩和枕を、頭のところに取りつけてあったけれど、こんなものは、何の役もなさなかった。
「……時速二十、時速十五、時速十。時速十になりました」
「よ、よろしい」
 私はやっと、それだけの言葉を吐いた。全身は汗でびっしょりである。関節がぴしぴしと痛む。今にも頭が割れるかと思った。
 頭痛だけは、すこし緩和かんわした。
「あーっ」
 私は溜息ためいきをついた。
「あーッ。レモン水を……」
 私は、うわごとみたいに云った。
「レモン水は、ありません」
 と、オルガ姫がこたえた。
「深度が、自然にえていきます。本艇は、沈下しつつあります」
「えっ、沈下? そいつは、いけない。どうにかしろ、おいオルガ姫……」
 とまで、云ったことを覚えているが、そのあとは知覚を失ってしまった。


   最悪の事態来る!――X大使よ力をかしてくれ


 オルガ姫の饒舌じょうぜつに、私ははっと気がついた。
「うるさいな、しずかにしろ」
 私は半ば無意識で、オルガ姫を叱りつけた。
 でも、オルガ姫の饒舌は、停らなかった。
「おい、しずかにしろというのに……」
 何といっても、オルガ姫はお喋りをやめない。
「……鎖が、また一本切れました。あ、また別の鎖が二本本艇の胴を巻きました。深度五十四、五十三、五十二、五十……」
 私はやっと、完全に意識を取戻した。
(鎖だって……)
 なにが、オルガ姫に鎖の話をさせているのであろうか。本艦の胴中に、鎖が巻きついて、どうしたというのか。まるで見当がつかないことが起った。
 私は視力の弱った眼を、しきりにまたたきして赤外線望遠鏡をのぞいた。そしてようやく、本艇の付近で今、何事が起りつつあるかを諒解りょうかいした。いや、たいへんである。いつの間にか、わが艇の胴のまわりには五、六本の太い鎖が、巻きついているのであった。その鎖を、だんだんと上に辿たどっていくと、四、五十メートル上に、巨大な船底が、天井のようになって、視界をさえぎっていた。鎖は、その巨大な船から、繰り下げられているのであった。
「……深度四十八、四十七」
 オルガ姫の声が、改めて私の注意を揺り動かした。
「これはいかん。わが艇は、何者かの手に捉えられ、今、どんどん水面に吊り上げられていくのだ。ぐずぐずしていると、もう二度と、自由な身になれないぞ」
 私は、金槌かなづちで、頭をガーンと殴られたような気がした。黒馬博士ともあろうものが、敵の捕虜にはなるし、魚雷型快速潜水艇を、そっくり取られてしまうし、それに、この分では、クロクロ島の秘密まで、知られてしまうであろう。これでは全く話にならぬ。なんとかして、この急場を取りつくろって、逃げ出さねばならない。
(どうしよう。どうすれば、彼等の手から、逃げ出せるであろうか)
 今、わが艇を、鎖で吊り上げている巨船は、たしかに米連の軍艦だと思われた。その艦名をたしかめたかったが、生憎あいにくとわが艇は、敵艦の真下にいるので、敵艦の形を見ることが出来なかったし、舷側げんそくに記してある艦名を読むことも出来なかった。いよいよ海面に吊り上げられてみなければ、この無礼至極ぶれいしごくな敵艦が何艦であるか、解らないのであった。だが、先刻からの事情を綜合して、これが米連の主力艦のうちの一隻であることには間違いがないと思った。
「深度四十二、四十一、四十、三十九」
 オルガ姫は、たいへんな事実を、機械的に喋っている。私の心は、ますます不安の底に落ちていった。
(なんとかして、この危機から脱出したい!)
 が、私はもう敵手から、到底とうていのがれ切れないわが運命を悟った。
(おめおめと、敵艦に収容されるのか!)
 いや、断じて、そんなことはいやだ。ではどうする。自決するか、それとも……。
 そのときである。一つ、思いだしたことがあった。それは、かのX大使のことであった。
 X大使!
 かの不思議な大使は、常に私を圧倒していたが、
(救援が欲しかったら、わしに求めるがいい。わしは、ちょっとした交換条件をもって、君たちを全面的に援助するだろう。それを忘れないで……)
 と、謎の言葉を残して去ったのだ。私は今、ゆくりもなく、X大使のこの言葉を思い出したのである。
(X大使の救援を求めようか。求めるのはいいが、X大使のいった、ちょっとした交換条件とは、一体どんなことであろうか)
 私は、交換条件のことが、たいへん気になったけれど、ここで敵艦にとらえられるよりはずっとましであると思ったし、死ぬのも残念なので、遂に、前後の考えなしに、X大使の救援を求める気になった。
 さて、救援を求めるのはいいが、一体どうすればいいのであろうか。どうすれば、X大使を呼び出すことが出来るのであろうか。
「おーい、X大使。私に力を貸して呉れたまえ」
 私は、試みに、そう呼ばわってみた。

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