您现在的位置: 贯通日本 >> 作家 >> 海野 十三 >> 正文

間諜座事件(かんちょうざじけん)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-24 11:23:47  点击:  切换到繁體中文



     3


 二人は、マッチ箱の裏に書かれた指令文を読み終ると、わせていたひたいを離して、思わずたがいの顔を見合わせた。二人は一語いちごも発しない。余程よほど重大な指令と見える。
 その指令というのは――
[#ここから罫囲み]
(指令本第一九九七八号)
(一)QX30トQZ19トハ、即刻そっこく間諜座かんちょうざおもむキ、「レビュー・ガール」のうちヨリ左眼ニ義眼ヲ入レタル少女ヲ探シ出シ、彼女ノ芸名ヲ取調ベ、QZ19ただチニR区裏ノ公衆電話そばニ急行シテ黄色ノ外套がいとうちゃくセル二人ノ同志ニこれヲ報告セヨ。又QX30ハ間諜座内ニ其儘そのまま止リテ、打出うちだシトともニ群衆ニまぎレテ脱出セヨ。
(二)右ノ報告ヲ本日午後十時マデニ報告シ得ザルトキハ、在京ざいきょう同志ハことごと明朝みょうちょうヲ待タズシテ鏖殺おうさつセラルルコトヲ銘記めいきセヨ。
[#ここで罫囲み終わり]
死線しせんは近づいたぞ」
「かねて探していた敵の副司令が判ったというわけだな」
「ウン、義眼を入れたレビュー・ガールとは、うまく化けやがった」
「だが間諜座へ入ることは、地獄の門をくぐるのと同じことだ。固くなったり、驚いたりして発見されまいぞ」
「あのなかは敵の密偵みっていで一杯なんだろうな」
「毎夜、観客の中に百人近くの密偵がまじっているということだ。そして何か秘密の方法で、舞台上ぶたいうえの首領と通信をしているそうだ」
「首領よりか副司令のあの小娘こむすめが恐ろしいのか」
「そうだ。あの小娘は悪魔の生れ代りだ」
「するとあの副司令を今夜のうちに、こっちの手でやッつける手筈てはずになったんだな」
「ウン。――どうしてやッつけるかは知らないが、副司令のやつ、義眼を入れてレビュー・ガールに化けているてぇことを、ぎつけられたが運のきだよ。おお、もう五時半だ。あといくらも時間が無いぞ。さア出発だ」
 弦吾は腰をあげた。
「おっと待ちな、つめたいながら酒がある。別れのさかずきと行こう」
 同志帆立は、押入の隅から壜詰を取出した。汚れたコップに、黄色い酒がなみなみとつがれた。
 カチャリ、カチャリ。
「地獄で会おうぜ」
「世話になったな」

上一页  [1] [2] [3] [4] [5] [6] 下一页  尾页


 

作家录入:贯通日本语    责任编辑:贯通日本语 

  • 上一篇作家:

  • 下一篇作家:
  •  
     
     
    网友评论:(只显示最新10条。评论内容只代表网友观点,与本站立场无关!)
     

    没有任何图片作家

    广告

    广告