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為文学者経(いぶんがくしゃきょう)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-23 16:03:15  点击:  切换到繁體中文

底本: 日本の名随筆60 愚
出版社: 作品社
初版発行日: 1987(昭和62)年10月25日
入力に使用: 1990(平成2)年6月30日第5刷


底本の親本: 文学者となる法
出版社: 右文社
初版発行日: 1894(明治27)年4月

 

たなからちる牡丹ぼたもちものよ、唐様からやうたくみなる三代目さんだいめよ、浮木ふぼくをさがす盲目めくらかめよ、人参にんじんんでくび※(二の字点、1-2-22)らんとする白痴たはけものよ、いわしあたま信心しん/″\するお怜悧りこうれんよ、くものぼるをねが蚯蚓※(二の字点、1-2-22)ともがらよ、みづうつつきうばはんとする山猿やまざるよ、無芸むげい無能むのうしよくもたれ総身そうみ智恵ちゑまはりかぬるをとこよ、よつうをもとくさうつへびをどろ狼狽うろたへものよ、白粉おしろいせて成仏じやうぶつせんことねが艶治郎ゑんぢらうよ、かゞみにらくらをしてあごをなでる唐琴屋からことやよ、惣て世間一切の善男子若し遊んで暮すが御執心ならば直ちにお宗旨を変へて文学者となれ
所謂いはゆる文学者ぶんがくしやとはフィヒテが“Ueberユーバル dasダス Wesenウエーゼン desデス Gelehrtenゲレールテン”にべたてし、七むづかしきものにあらず。内新好ないしんかうが『一目ひとめ土堤づゝみ』に穿ゑぐりしつう仕込じこみおん作者さくしや様方さまがた一連いちれんを云ふなれば、其職分しよくぶんさらおもくしてたふときは扇子せんす前額ひたひきたへる幇間だいこならんや。
文学者ぶんがくしやもくして預言者よげんしやなりといふは野暮やぼ一点張いつてんばり釈義しやくぎにして到底たうていはなし出来できるやつにあらず。つう仕込じこみおん作者さくしや様方さまがた尊崇そんすうし其利益りやくのいやちこなるを欽仰きんぎやうし、其職分しよくぶんをもておもだいなりとなすは俗物ぞくぶつをし俗物ぞくぶつ渇仰かつがうせらるゝがゆゑなり、(渠等かれらつう原則げんそくまもりて俗物ぞくぶつ斥罵せきばするにもかかはらず。)然しながら縦令たとひ俗物ぞくぶつ渇仰かつがうせらる※(二の字点、1-2-22)といへども路傍みちばた道祖神だうろくじんの如く渇仰かつがうせらる※(二の字点、1-2-22)にあらす、又よろこばるゝといへ[#ルビの「いへ」は底本では「いへど」]どもおや因果いんぐわむく片輪かたわむすめ見世物みせものの如くよろこばるゝのいひにあらねば、決して/\心配しんぱいすべきにあらす。な、俗物ぞくぶつ信心しん/″\文学者ぶんがくしや即ちおん作者さくしや様方さまがた生命せいめいなれば、な、俗物ぞくぶつ鑑賞かんしやうかたじけなふするはおん作者さくしや様方さまがた即ち文学者ぶんがくしや一期いちご栄誉えいよなれば、之を非難ひなんするは畢竟ひつきやう当世たうせい文学ぶんがくらざる者といふべし。
此故このゆゑ当世たうせい文学者ぶんがくしやくち俗物ぞくぶつ斥罵せきばする事すこぶはなはだしけれど、人気じんきまへ枉屈わうくつして其奴隷どれいとなるはすこしもめづらしからず。大入おほいり評判ひやうばんだ四はんだ五ばん傑作けつさくぢや大作たいさくぢや豊年ほうねんぢや万作まんさくぢやと口上こうじやう咽喉のどらし木戸銭きどせん半減はんまけにしてせる縁日えんにち見世物みせもの同様どうやう薩摩さつま※(「虫+燭のつくり」、第4水準2-87-92)らふそくてら/\とひか色摺いろずり表紙べうし誤魔化ごまくわして手拭紙てふきがみにもならぬ厄介者やくかいもの売附うりつけるが斯道しだう極意ごくい当世たうせい文学者ぶんがくしや心意気こゝろいきぞかし。さりながら人気じんき奴隷どれいとなるも畢竟ひつきやう俗物ぞくぶつ済度さいどといふ殊勝しゆしようらしきおくがあればあなが無用むようばゝるにあらず、かへつ中々なか/\大事だいじけつして等閑なほざりにしがたし。俗人ぞくじんをしふる功徳くどく甚深じんしん広大くわうだいにしてしかも其勢力せいりよく強盛きやうせい宏偉くわうゐなるは熊肝くまのゐ宝丹はうたん販路はんろひろきをもてらる。洞簫どうせうこゑ嚠喨りうりやうとして蘇子そしはらわたちぎりたれどつひにトテンチンツトンの上調子うはでうしあだつぽきにかず。カント超絶てうぜつ哲学てつがく余姚よよう良知説りやうちせつだいすなはだいなりといへども臍栗へそくりぜに牽摺ひきずすのじゆつはるかに生臭なまぐさ坊主ばうず南無なむ阿弥陀仏あみだぶつおよばず。されば大恩だいおん教主けうしゆ阿含あごん説法せつぱう志道軒しだうけん隆々りゆう/\木陰ぼくいん揮回ふりまはす、皆之みなこれこ※(二の字点、1-2-22)呼吸こきふ呑込のみこんでのうへはなしなり。流石さすが明治めいぢおん作者さくしや様方さまがたつうつうだけありて俗物ぞくぶつ済度さいどはやくも無二むに本願ほんぐわんとなし俗物ぞくぶつ調子てうし合点がてんして幇間たいこたゝきておひげちりはらふの工風くふう大悟たいごし、むか三軒さんげん両隣りやうどなりのおてふ丹次郎たんじらうそめ久松ひさまつよりやけにひねつた「ダンス」の Missミツス B.ビー A.エー Bae.べー [#「Miss B. A. Bae.」は斜体字]瓦斯ぐわす糸織いとおり綺羅きら印刷局いんさつきよく貴婦人レデイに到るまで随喜ずゐき渇仰かつがうせしむる手際てぎは開闢以来かいびやくいらい大出来おほできなり。けば聖書バイブルかてにする道徳家だうとくかが二十五銭の指環ゆびわ奮発ふんぱつしての「ヱンゲージメント」、綾羅りようら錦繍きんしゆう姫様ひいさま玄関番げんくわんばん筆助君ふですけくんやいの/\をんだはての「ヱロープメント」、皆之みなこ小説せうせつ功徳くどくなりといふ。よしや一の「モルヒ子」になぬためしありとも月夜つきよかまかれぬ工風くふうめぐらしべしとも、当世たうせい小説せうせつ功徳くどくさづかりすこしも其利益りやくかうむらぬ事かつるべしや。
冒険譚ばうけんだんおこなはれし十八世紀せいきには航海かうかい好奇心かうきしんもやし、京伝きやうでん洒落本しやれぼん流行りうかうせしとき勘当帳かんだうちやう紙数しすう増加ぞうかせしとかや。抑も辻行灯つじあんどうすたれて電気灯でんきとう光明くわうみやう赫灼かくしやくとして闇夜やみよなき明治めいぢ小説せうせつ社会しやくわいに於ける影響えいきやう如何いかん。『戯作げさく』と云へる襤褸ぼろぎ『文学ぶんがく』といふかむりけしだけにても其効果かうくわいちゞるしくだいなるはらる。
英吉利いぎりす野暮堅やぼがた真面目まじめ一方いつぱうくになれば、人間にんげん元来ぐわんらい醜悪しうあくなるにおかれずして、ゾオラ偶々たま/\醜悪しうあくのまゝをうつせば青筋あをすじ出して不道徳ふだうとく文書ぶんしよなりとのゝしわめく事さりとは野暮やぼあまりに業々げふ/\しき振舞ふるまひなり。さりながら論語ろんごきて梅暦むめごよみ六韜三略りくとうさんりやくとする当世たうせい若檀那わかだんな気質かたぎれとは反対うらはらにて愈々いよ/\たのもしからず。東京とうきやうの或る固執派オルソドキシカー教会けうくわいぞくする女学校ぢよがつかう教師けうし曾我物語そがものがたり挿画さしゑ男女なんによあるを猥褻わいせつ文書ぶんしよなりとんだ感違かんちがひして炉中ろちう投込なげこみしといふ一ツばなし近頃ちかごろ笑止せうしかぎりなれど、如何どうかんがへても聖書バイブルよりは小説せうせつはう面白おもしろいにはちがひなく、教師けうしぬすんでは「よくッてよ」小説せうせつうつゝかすは此頃このごろ女生徒ぢよせいと気質かたぎなり。たとへばつちはづ※(二の字点、1-2-22)とも青年せいねん男女なんによにして小説せうせつまぬ者なしといふ鑑定かんていおそらくはづれツこななるべし。
俗界ぞくかいける小説せうせつ勢力せいりよくくのごとだいなればしたがつ小説家せうせつかすなはいま所謂いはゆる文学者ぶんがくしやチヤホヤせらるゝは人気じんき役者やくしやものかづならず。此故このゆゑなまぐさにほひせて白粉おしろいかをりはな太平たいへい御代みよにては小説家せうせつか即ち文学者ぶんがくしやかず次第々々しだい/\増加ぞうかし、たひ[#「たひは」はママ]はなさともあれど、にしん北海ほつかい浜辺はまべ薯蕷じねんじやう九州きうしゆう山奥やまおくいたるまで石版画せきばんゑ赤本あかほんざるのなしとはなうごめかして文学ぶんがく功徳くどく無量広大むりやうくわうだいなるを当世男たうせいをとこほとんど門並かどなみなり。ればさはれば高慢かうまんしたたゞらしてヤレ沙翁シヱークスピーヤ造化ざうくわ一人子ひとりごであると胴羅魔声どらまごゑ振染ふりしぼ西鶴さいくわく九皐きうかうとんびトロヽをふとンだつうかし、なにかにつけては美学びがく受売うけうりをして田舎者いなかものメレンスはあざやかだからで江戸ツ子の盲縞めくらじまジミだからでないといふ滅法めつぱふ大議論だいぎろん近所きんじよ合壁がつぺきさわがす事少しもめづらしからず。好奇ものずき統計家とうけいか概算がいさんに依れば小遣帳こづかいちやう元禄げんろくひね通人迄つうじんまで算入さんにうしておよ一町内いつちやうないに百「ダース」をくだる事あるまじといふ。
夫れ台所だいどころに於けるねづみ勢力せいりよく法外はふぐわいなる飯焚男めしたきをとこ升落ますおとしの計略けいりやくも更に討滅たうめつしがたきを思へば、社会問題しやくわいもんだいみゝかたむくる人いかで此一町内いつちやうない百「ダース」の文学者ぶんがくしや等閑なほざりにするをべき。若しすべての文学者ぶんがくしやかつ兵役へいえき従事じゆうじせしめば常備軍じやうびぐんにはか三倍さんばいして強兵きやうへいじつたちまがるべく、すべての文学者ぶんがくしや支払しはら原稿料げんかうれうつもれば一万とん甲鉄艦かふてつかん何艘なんざうかをつくるにあたるべく、すべての文学者ぶんがくしや消費せうひする筆墨料ひつぼくれう徴収ちようしうすれば慈善じぜん病院びやうゐん三ツ四ツをつくる事けつしてかたきにあらず、すべての文学者ぶんがくしや喰潰くひつぶこめにく蓄積ちくせきすれば百度ひやくたび饑饉ききんきたるともさらおそるゝにらざるべく、し又すべての文学者ぶんがくしや一時いちじ殺戮さつりくすれば其死屍しゝは以て日本海につぽんかいうづむべく其は以て太平洋たいへいよう変色へんしよくせしむべし。

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