憲法記念日
1947年5月3日に現行の日本国憲法が施行されたことを記念して、国民の祝日として制定されました。日本国憲法は、第2次世界大戦の反省から第9条で戦争放棄を定め、軍隊を持たないことを規定しています。しかし自衛のための軍隊は許されるとする解釈もあり、現在自衛隊が存在する根拠となっています。平和主義のほか国民主権、基本的人権の尊重などが日本国憲法の基本精神です。
田植え
田植えは、稲の苗を苗代から水田に植え替える作業で、5月から6月にかけて行われます。稲の種まきは、立春から数えて88日目に当たる八十八夜(5月2日ごろ)前後がピークとなり、梅雨に入ってから水田に移します。米は日本人の主食であるため、収穫の出来不出来は1年の生活を左右します。従って田植えは重要な行事であり、かつては村人の協同作業であり神事でもありました。
茶摘み
緑茶は日本人の主要な飲み物です。この茶の木の若芽や葉を摘み取る茶摘みは、4月中旬から5月下旬の間に3週間くらいかけて行われ、特に八十八夜(5月2日ごろ)から2、3週間の間が最も盛りとなります。摘んだ葉は、蒸した後、その日の夜には揉みあげます。かつては赤いたすきがけに手拭いをかぶり、茶摘歌を歌いながら摘んでいたものですが、機械化が進むとともに昔の情趣も失われてきました。
子供の日
5月5日は子供の日です。もともとは端午の節句といって、男の子の成長を祝う日でしたが、今は一般に子供のためのお祝いの日となっています。この日、男の子のいる家庭では武者や英雄を模した五月人形を飾ったり、空高くこいのぼりを立てたりします。鯉は滝でも泳いで登ってしまう力があり、昔から立身出世のシンボルとされてきたことによります。この日には薬効があるといわれる菖蒲を風呂に入れて入る習慣が昔からあり、ちまきや柏餅といった伝統的な和菓子も欠かせない供物となっています。
七夕
七夕は7月7日に行われる星祭りです。天の川を挟んで両岸にさかれたアルタイ(牽牛星)とベガ(織女星)が年に1度この日の夜に出会う、という中国の伝説が日本の信仰と一緒になったもので、もとは朝廷の貴族の間で行われていた祭でしたが、江戸時代(1603~1867)から一般庶民の間に定着しました。
6日の夜には、色とりどりの短冊に願いごとを書いたり、歌を書いたりして笹につるし、7日の夜に庭先に出します。夏のクリスマス・ツリーといえるほど美しいものです。近年では、仙台や平塚などの市が大規模な飾りを商店街のアーケードに飾って観光客を集めています。
花火大会
花火大会は夏の代表的な風物です。江戸時代(1603~1867)に江戸(現在の東京)の隅田川で、玉屋と鍵屋という花火メーカーが競って打ち上げた花火大会がその起源です。夏には各地で花火大会が行われます。日本の夏は暑く、湿気が多いので、眠れぬ夜の慰みにふさわしいにぎやかな催しです。夜空に美しく咲いてパッと消える様子は、桜と同様、潔さや無常の象徴にたとえられます。
盆
7月13日から15日、または8月に行われる仏教行事の1つで、先祖の霊を供養するものです。このときに霊が戻ってくるといわれているため、霊が道に迷わないよう家の門口で迎え火をたいたり、室内にちょうちんをともしたりするほか、仏壇をきれいにし、野菜や果物などの供物を飾ります。そして盆が終わると霊を送り返します。これを精霊送りといい、送り火を門口でたき、供物を川や海に流すのです。
終戦記念日
第2次世界大戦は、連合国のポツダム宣言を日本が受諾し、無条件降伏をしたことによって終了しました。1945年8月15日、天皇がラジオ放送で日本国中にそのことを伝えたのです。現在ではこの日を終戦記念日として、戦没者を慰霊する行事が各地で行われています。悲惨な戦争の記憶を後世に伝え、2度と戦争を繰り返してはならない、という決意を新たにする日でもあります。
月見
東洋には月を鑑賞する習慣があり、日本でも旧暦8月15日の夜には月見団子やすすきの穂、季節の果物などを窓辺に飾って月に供え、満月を鑑賞します。澄んだ秋空に浮かぶ満月は格別美しく見えるものですが、農耕民族である日本人の月見の原型は、月を神に見立て、これから実る稲の豊作を祈るための行事だったとされています。それが現在でも月見として広く行われているのです。
敬老の日
9月15日は敬老の日で、国民の祝日です。老人を敬い、長寿を祝うとともに、今後の健康を祈り、さらには老人福祉の問題に対する理解を深める日でもあります。
この日には、地方自治体や敬老会などが演芸会をはじめさまざまな催しを開いたり、記念品を贈呈したりします。有志による老人ホームの慰問も行われます。世界一の長寿国として、これから重要な日になることでしょう。
秋分の日
秋分の日は9月23日ごろで、国民の祝日です。秋分の日を中日とする1週間は秋の彼岸といい、寺では法事が行われ、人々は墓参りをして先祖の霊を慰めます。
この日はまた、春分の日と同様に、昼と夜の長さが等しくなる日でもあります。このころを境に夏の暑さも終わりを告げ、秋が深まってくるのです。
10月10日は体育の日です。1964年10月10日に東京オリンピックが開催されたのを記念して、1966年から国民の祝日となりました。スポーツに親しみ、健康な心身を養うことを目的としています。秋は気候がいいため、スポーツも盛んになりますが、とりわけ体育の日には、学校や地域の運動会やスポーツ大会が数多く開催されます。
文化の日
文化の日は11月3日です。もとは明治天皇の誕生日を祝うための日でしたが、現在では「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ための国民の祝日となっています。この日には文化祭や芸術祭などが各学校や地域で開催されるとともに、日本文化に貢献した人たちには政府から文化功労賞が授与され、特に文化の発展に尽くしたとされる人には皇居で文化勲章が授与されます。
七五三
11月15日に子供の成長を祈って行う行事です。日本では奇数はめでたい数とされてきたため、子供の成長にとって大切な時期の奇数年、すなわち男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳に祝うのです。この日、子供たちは晴れ着を着て両親と神社に行き、氏神に参詣します。子供たちには千歳飴という、鶴や亀の描かれた袋に入った紅白の細長い飴が買い与えられます。「千歳」は千年を意味し、鶴も亀も日本では長寿の象徴です。また赤と白は日本人にとってめでたい色の組み合わせで、ここには子供の健康と成長への祈りが込められているのです。
勤労感謝の日
11月23日は勤労感謝の日です。1948年に「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」として国民の祝日となりました。この日には昔から、新嘗祭と呼ばれる行事が宮中で執り行われてきました。これは、天皇がその年の新米を神に捧げ、初めて食するという行事で、その祭儀は現在も皇室で行われています。
天皇誕生日
日本の象徴であり、日本国民統合の象徴である「天皇の誕生を祝う」日で、国民の祝日です。平成元年(1989年)からは今上天皇の誕生日である12月23日となりました。当日は皇居で各省大臣を招いての宴会や、各国大公使を招いての茶会が行われます。多くの国民が皇居を訪れ、天皇と皇族は、皇居のバルコニーに立ち、参賀者にあいさつをします。
クリスマス
日本ではクリスチャンに限らず多くの人がクリスマス・イブに家族や恋人にプレゼントを渡したり、一緒に食事をしたりして楽しみます。消費意欲を刺激するデパートや企業の戦略が、このようなクリスマス文化を作ったともいえます。11月後半になると繁華街には大きなツリーが飾られ、デパートや街の商店街などではクリスマス・セールの宣伝が行われるのです。
年越しそば
大晦日に年越しそばを食べる習慣は江戸時代(1603~1867)以降広まりました。この起源は大晦日の大掃除の際、金細工師が仕事場に飛び散った金粉をそばを練った団子で集め、それを火鉢で焼いて金粉を取ったことにあります。このためそばは金を集めるといわれ、大晦日にそばを食べる風習ができたようです。しかし今では、そばのように細く長くという長寿の願いを込めて食べます。
大晦日
1年の最後の日、12月31日を大晦日といいます。新しい年を気持ちよく迎えるため、家中の大掃除、畳や障子の張り替えなどはこの日までに済ませておき、帰省してきた家族をも交え、一家だんらんのうちに正月を迎えます。
夜の12時近くなると、全国の寺では除夜の鐘をつき始めます。仏教の教えによれば人間には108の煩悩があり、除夜の鐘を108回つくことによって、その煩悩を取り除くのです。そして人々は除夜の鐘の音を聞きながら、翌年の健康や長寿を願って年越しそばを食べます。 上一页 [1] [2] |