温泉ソムリエ制度 スタート
緑の富士山のように聳(そび)える妙高山。その緩(ゆる)やかな傾斜地に湧(わ)く温泉群の1つが赤倉温泉だ。
湧出(ゆうしゅつ)量、毎分2042リットル、透明な硫酸塩・炭酸水素塩泉を掛け流しで使うことができるのも湯量の豊かさゆえ。早くからスキー客をメインとした温泉地として知られ、最盛期には年間440万人もの誘客を得た時代もあった。が近年はスキー人口の低迷と不況のダブルパンチでその数を半分まで減らしてしまっている。
「何とかしなければ……」。起死回生を考えていたとき、新潟県で「うるおいのある温泉街づくり事業」がスタート。赤倉温泉もその指定を受けることが出来た。平成13年「赤倉温泉活性化委員会」が発足。皆で話し合い「歩いて楽しめる温泉街」をメインテーマに選んだ。
その事業の一環として平成14年完成したのが足湯公園。北朝鮮拉致事件被害者・蓮池さん一家が来湯して楽しむ姿がテレビニュースで放映され、全国的に知られるところとなった。
また「温泉ソムリエ制度」もスタートさせて、受け入れ側の温泉認識をあらたにする運動もはじめている。現在55人の温泉ソムリエが町内におり、来客に温泉入浴方法や効果等、温泉に関する指導に応じられるよう日々研鑽(けんさん)に励んでいる。「お客さんの温泉志向が専門的になってきて、温泉そのものの大切さを痛感しています」
まず地元民が温泉を意識すること、と講習テキストの編集に携わった遠間和広さん(38)。最新の知識と共に先人の温泉入浴法の掘り起こしにも目を向ける必要を感じているという。
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