発泡スチロール最大手の積水化成品工業は17日、廃家電のプラスチック部分と使用済み発泡スチロールを再利用して、家電包装用の発泡スチロールの商品化に成功した、と発表した。8月に売り出されるシャープの大型液晶テレビの包装材として採用され、納入を始める。今後、他社の製品などにも販路を広げ、06年度に30億円の売り上げを目指す。
テレビの裏面のパネルや冷蔵庫内の樹脂に加え、家電量販店などから出る使用済み発泡スチロールを原料にする。廃家電に含まれる樹脂は、衝撃に対する強さを増す効果もあり、従来のリサイクル品よりも1割程度、強さが増した。
廃家電のプラスチックや使用済み発泡スチロールは、これまでコストや品質面で制約が多く、商品化が難しかった。だが、積水化成品は昨年、材料になる発泡性ビーズの新製造法を開発。リサイクル原料を使っても、低コストで高品質の発泡スチロールができるようにした。
同社は事務機器、おもちゃなどの包装材としての需要も見込む。すでに、廃家電のプラスチックを原料にした発泡スチロールを製造している関東工場(茨城県総和町)で、8月から生産能力を倍増させ、月産180トンにする。 |